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まだ序盤中の序盤だというのにリクオたちは既に言葉が出てこなかった
戦場の起こった地に行けばむせ返るような血の匂いの中、双子は死者からものを剥ぎ、刀を盗み、食べ物があれば食べました
他にも山に入っては川の水を飲み
草を食べ、木の実を食べ、魚を食べ
時には毒草や毒キノコで死にかけることもありました
それでも双子は生きました
川に全身浸かっては出てきてブルブルと犬のように身を振って落として終わり
それはAも変わらず、まるで獣のようだった
少しずつ、少しずつ双子は言葉を知りました
けれどそれは全て自分たちに似た人間を見て見様見真似の言葉
誰かに教えられたものでは無いそれはたどたどしくて、やけに舌っ足らずなもの
『あー』
『うー』
それでも互いのことを認識しあって発した言葉は双子にとってなによりも特別でした
双子はこんな生活を何年も続けました
そんなある日、双子の前に現れたのは複数人の小汚い男たち
その者たちもまた彼らと同じような生活を送る大人でした
双子にとってもその大人たちにとってもこれは「明日を生きれるか」ではなく「今を生きれるか」の問題
ここで負ければ待つのは死
勝てば待つのは今と変わらぬ苦しみ
それはわかっていましたが、双子は死にたくありませんでした
双子は初めて、死者から盗った刀を抜いた
そしてその日、初めて双子は人間を殺しました
ゴロリと転がる数人の大人の死体
それをAたちは何の感情もなく見下ろしていた
そしてやがてまたいつもの様にはぎとれるもははぎとり、手を繋いで行くあてもなく彷徨う
その日を境に双子は他者に敏感になり些細なことでも反応するようになった
双子は今を生きるのに必死
だから、一度人間を殺したあの日から殺すことを厭わなくなった
一面がまた死体になる
殺意を持って襲ってくる大人たちを
天人を
ただただ、殺した
そうしているうちに双子は噂されるようになりました
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江(プロフ) - Milkさん» コメントありがとうございます！好きと言っていただけて凄く嬉しいです！これからも愛読よろしくお願いします！！ (2020年5月8日 12時) (
レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
Milk - 初コメ失礼します！！本当に本当にこの小説すごく好きです…！！ (2020年5月4日 15時) (レス) id: b976b329cf (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - 白狼龍さん» ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2020年5月1日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - ☆ねこ☆ねこ☆さん» コメありがとうございます！これからもハラハラドキドキしちゃってください！ (2020年5月1日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
白狼龍 - 面白かったです！ とても続きが気になります(*´∇｀*) (2020年4月26日 22時) (レス) id: b10076b070 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江
| 作成日時：2020年3月13日 16時
