やつがれちゃんが大好きすぎる皆様の重い愛を具現化した短編集。

敦芥『G』 ページ44

◆



　誰おま状態。



♀♂





　つい先刻上司に呼ばれたと言って家を出ていった彼奴に電話をかけた。






【G】





「敦、僕は今すぐこの命を捨ててもいいから帰ってこい。今すぐにだ、今すぐに」






　それだけ言って通話を終了する。はあ！？とかいう声が聞こえたが気にせずに僕は羅生門で天井に張り付く。殺人鬼ならではの殺気を纏って気配を殺す。


　此処なら奴も来ないはず、そう自分に言い聞かせた。



*


　数時間後(実際には数十秒だが長く感じた為)、敦は部屋の扉を勢いよく開けた。





「あっ、芥川！？どしたの！？」





　こんな時まで僕の心配をするとは。やはり馬鹿か。


　僕が開ききった目で一点を指差すと、敦の顔色も徐々に青くなる。





「あ…あ…」






　そもそも異能をこんな風に使っていいのか。



　虎の跳躍で僕の隣(の天井)にしがみつく。





「いやだまだ死にたくないって！本当に！」



「ならば僕にここで死刑を待つのみだ！」





　二人の目の前を行ったり来たりするG。通常ゴキブリ。



　その気持ち悪さに思わずうえってなりそう。



　さて、今日から始まる僕と敦とGの生活。いつでも殺せるとは思っていない。


　だがGだけは本当に勘弁してほしかった。






「敦、じゃんけんをして負けた方が退治するのはどうだ」



「……のった」






　そう言って結局二人で退治したG 。



♀♂♀♂


　眠い、眠いのは何故？

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