敦芥『大怪我』 ページ38
◆
※流血表現があります。
※にょたです。
♀♂
まさか、こんなくだらない事で死ぬなんて。
【大怪我】
「あっ、もしもし太宰さん!?何処にいるんですか!ってああっ!切れた…」
平和な横浜。今日はいつにもまして晴天だからお出掛け日和だった。太宰さんは太宰さんで入水に行ったけど。
頼まれていた探偵社の備品の買い物を済ませた僕は、探偵社へと足を進めていた。
「ゴホッ…」
あの光景を見るまでは。
♀♂
まさか、あんな屋上から本当に飛び降りてしまうなんて何処まで馬鹿なのか。そう思って自嘲した。
彼の人は飛び降りても死なない。何故?それは分からない。だから自分も試してみたが、まさか運悪く頭をすりむき、運悪く下にごみ袋があり、運悪くその中に刃物が入っていたなんて。
運の悪さにも程がある。
このまま死ぬだろうか。このまま誰にも見つからずに死ぬだろうか。
嗚呼、せめてもう一度彼の人に会いたかった。吠えぬ狂犬と呼ばれた僕に心を与えてくれた人。初めて感情を教えてくれた人。
…………初めて、恋心を抱いた人。
こんなみすぼらしい女なぞ視界に入れぬことは分かっていたが。
「ゴホッ…」
小さい咳だったが、それを始めとして大量の赤黒い血があふれでる。あたりは真っ赤だ。
「あくた…がわ…?」
後ろから声が聞こえた気がした。それが走馬灯か現実か幻か。
もう瞼を開けているのも辛くなってきていた。
♀♂
血溜まりの中の黒い影。彼の芥川が血まみれで倒れている。
焦る僕とは裏腹に、何処かで美しいなんて思っていた。
意味が分からなかった。芥川は強い。だからこんな所で死んだり…。
名前を呼んでも返事をしないから、急に怖くなった。
でもどうしていいか分からなくて、とりあえず状況を伝えようと太宰さんに電話をかけた。
場所を伝えればすぐ駆けつけてくれた与謝野さんと太宰さん。
___嗚呼…これで助かった。
この世界からお前がいなくなるのが怖くて仕方無いと思ったのが何故なのか、僕にはまだ分からない。
♀♂
いや、大怪我した理由がそれなの。とか一人でツっこみながらやりました(←
あとちょっと切ないですね、すみません。
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エリカ - リクエストいいですか?ドス芥お願いします!できればドストさんがヤンデレな感じのを… (2017年6月10日 18時) (レス) id: e5d2f5896d (このIDを非表示/違反報告)
福地さん(プロフ) - ああああああ!同志がいたっ!なんという幸せ!太芥いいですよね!!!文ストの中で一番好きなcpです!やつがれちゃんの儚い感じがすごい好き!!幸せになって欲しいっ!そして、表ではやつがれちゃんに厳しくしてるけど裏ではやつがれちゃんの事褒めてる太宰さん…好き (2017年4月5日 22時) (レス) id: 4a35111a88 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - 桐宮さん» 二重人格好きです。続編にいったので是非…(^^) (2017年2月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
桐宮 - 俺も異常だね。本当に好き。がれちゃん二重人格いい。 (2017年2月21日 22時) (レス) id: a7d473c89c (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - kiiroitoriさん» 同類ですね。わたくしも馬鹿みたいに騒いでドタバタしてますよ(超迷惑) (2017年2月21日 21時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なかゞわとまと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TOMOTO/
作成日時:2017年1月15日 23時