芥川しゃんが大好きすぎる芥川愛し隊の狂気的で充実した毎日。

１０，芥川愛し隊が出来るまでの皆さんの努力。 ページ10

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「中也……………。私………好きな人出来た…。」





　その一言がすべての始まりだった。


　太宰が大事な話がある、と中原を呼び出して数分。重々しく太宰はその口を開いた。






「……………………は？」





　中原もそれには驚いて目を丸くするが、まぁ18才の年頃男子なのだから恋に落ちるのも無理はない。






「私もう少しで幹部に昇進するのだろう？この子をうちに勧誘したいんだ」



「そんなの俺に言ってどうするんだよ。」



「いや、その子に手出したら中也でも殺すよって話。」





　太宰の目は本気だった。まるでもう自分の物になったかのような…。




「はぁ？つかソイツ一般人か？」



「うーん…。すごく強い異能持ってて、今は貧民街にいるよ」





　中原は耳を疑った。貧民街にいるような奴に、太宰は恋に落ちたのか。






「どんな奴だ？」



「質問攻めかい？まぁいいけど。うーんと…その子は妹がいて…あと黒い髪の毛なんだけど毛先が白くて綺麗で…。黒目が大きくて背が低いね。」



「随分と詳しいな。」



「隅々まで観察して調べたからね」






　太宰はニヤリと目を細めて笑った。その瞳には無邪気な子供の様に光る黒い何かがあった。






＿＿＿数週間後。




「中也、私幹部になったからちょっと貧民街行ってくるね！」





　上機嫌で太宰は貧民街へと向かっていったのだ。

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