第七話 ページ7
「でも、それにしてもAお姉さんは凄いね、」
『え、どこが?』
「だって、普通、記憶が無くなってたら、もっと悲しんだり、不安になったりするでしょ?Aお姉さんはずっと笑顔で明るいから、すごいなって思って」
急に始まった、コナンくんの尋問
沖矢さんも一瞬開眼してめちゃくちゃ怖かったんですけど…
明るいって、そんなに、怪しむポイントなのね
『コナンくん、私は、十分、不安になってるよ。でもね、取り乱さずに居られるのは、私が馬鹿だからだと思う』
「え?」
『私、馬鹿だから、記憶が無いことがどんなに大変かまだ実感してないから。あと、一番は君という救世主に会えたからかな』
「ぼ、ぼく?」
『うん、そうだよ。コナンくんが隣にいるから、記憶なくしたっていう絶望的状況でも、私は幸せな方かな?って思えるんだよね。君がいるから平常心を保ってられるよ』
「…そっか、へへ、嬉しいな」
これは、半分以上ほんとである。
全く記憶が無い訳ではなく、この物語を知っているという状態だというのも、私が平常心で居られる大きな理由の一つだが…
コナンくん、いや、新一くんに最初に会えたというのは、一番良かったことだ。
コナンくんの尋問はそれ以降はなく、じゃあ、そろそろ僕帰るね、と颯爽と出ていった。
気になることだけ聞いて去っていくとは、いい性格してるな。
さっき、私の心の中でいい感じの雰囲気だったのに、好感度少し下がったぞ、おい。
「ところでAさん」
『は、はい…!』
忘れてた、コナンくんが帰った=赤井さんと二人きりじゃないかっ!!!
もう少し、私のメンタルが彼に慣れてから帰って欲しかった。
つらい、すでにつらいよ。
「Aさんは自分の名前をどうやって思い出したんですか?」
急に痛いところつかれたよ。
だから、この人との同棲は嫌だったんだ。
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作者名:海扇 | 作成日時:2019年7月18日 17時