検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:12,168 hit

・二十五 ページ26

それでも事は嬉しい方向には進まなかった









元々財閥の当主であった薮様は

一度経営を立て直すと制約結婚をさせられていて

いつも妻の目を盗みここへ来ていたらしい









菫さんが想う人には正妻がいた



















ある日女将が血相を変えて菫さんの部屋に来た









バンっと襖を開ける女将は見たこと無いくらい怖かった









菫 「なんでござんす?

そんな急いで」









女将 「どうもこうもないんだよ

あんたのおかげでここが潰されそうなんだよ」









菫 「は、?」









女将 「あんたの客の薮様がいらっしゃるじゃろう

薮様の奥様がここ潰すと押しかけてきたんだよ!」









菫 「つ、ま?」









女将 「知らなかったのかい?

薮様はご当主で」









菫 「それは承知でありんす

ですが妻がいらっしゃることは、、、」









女将 「菫も知らなかったのかい?」









菫 「はい、、、」









その時の菫さんの顔は

騙された絶望とか

遊郭に対しての罪悪感とか









そんなものよりも

寂しそうな顔をしてた









今にも泣きそうな目で

ただボーッとどこか一点を見つめていた









女将 「お前も知らなかったといえ

遊郭が潰されれば元も子もない

きっとお前に処分が下るのも時間の問題でいんす」









菫 「処分、、、」









女将 「今晩は頭を冷やしんさい」









そう言ってピシャリと襖を閉めた女将









その音と同時に菫さんの目から涙が溢れ出て

止まることを知らなかった

・二十六→←・二十四



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
45人がお気に入り
設定タグ:伊野尾慧 , 恋愛 , 山田涼介   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いのみづちゃん | 作成日時:2017年8月29日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。