【オリジナル】後輩君と転校生【派生/合作】 (ページ32)

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Episode13「おでかけ」【望月綾萠】ページ32

蒼飛くんがデートしている所を目撃したその後、山田はぼくにこう言った

「なぁ、悔しくねーの？
明日暇なんだったら、一緒に出かけてこいよ、
それであの人との関係も聞いたらいいだろ、」

その言葉に背中を押され現在。
ぼくは、山田に教えてもらった蒼飛くんの家の前に居た。

『(山田の手前、思わず頷いちゃったけど...)』

うわぁ...と、目の前の家を見上げる

いやいやそんな急に押しかけてったら変な人だって思われるでしょ絶対！！山田ついてきてよ！！！！なんで居ないんだよ！！！(理不尽)

このまま玄関の前でうだうだしていてもらちがあかないので、意を決してチャイムを鳴らす。

もしご両親が出てきたらどうしようまって緊張してきた...！！！！

ｶﾞﾁｬｯ

「！綾萠先輩！」

ぼくの心配は杞憂に終わり、蒼飛くんが出てきた。
驚いた様子の蒼飛くんに、若干早口になりながら言う

『ねぇ蒼飛君。今日一緒に出掛けよ』

「良いですけど...急にどうしたんですか?」

『いやっ、その、えっと...』

確かにおかしな話だ。
今まで避けていた人が急に「遊ぼう」って言うなんて。

馬鹿正直に真実を言うわけにもいかないし、どう誤魔化そうか迷う

結局、少しあざといかなと思いながら、本音を言うことにした。

『...蒼飛君と出掛けたくなったから...?』

疑問形になってしまった何やってんだぼく。
そんなぼくに笑いながら、準備してくると言って家に入る蒼飛くん。

「...よし、お待たせしました。行きましょ!』

そう言って先を歩く蒼飛くんをぼくは呼び止めた。

『あ、蒼飛君!』

「はい？どうしましたか？」

くるりと振り返る蒼飛くんに向かって、ぼくは言った

『その...手...繋がない...?』

＊＊＊＊＊

「良いですよ」

彼は、確かにそう言った。

正直絶対引かれると思ってたし、まさかOK貰えるとは思ってなかった

....でも、握ってくれた蒼飛くんの手は、ぼくより少し大きくて、温かくて、

「どこいきます？」と尋ねてきた蒼飛くんに、ショッピングモールと答えた

良いですね！と笑った時の顔が眩しくて、思わず目を逸らす

いつも通り、不思議がられるだけだ、そう思った

次の瞬間、

「＿＿逸らさないで下さいよ」

ぼくの頬に手を添え、無理やり目を合わさせる

『(〜ッ！？！？)』

多分、自分でもわかるくらい真っ赤だったと思う、

なぜか蒼飛くんまで顔を赤くして、慌てたようにぼくの元から離れた。

不思議な感覚だった。でも、幸せだった。