【オリジナル】後輩君と転校生【派生/合作】 (ページ13)

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Episode5「嫉妬」【望月綾萠】ページ13

某日。
何処かの教師に頼まれたプリントを届けるついでに、蒼飛くんにも会えるかな、なんて思いながら2年の教室を覗く。

「お！さんきゅーなあやっ..て投げんなよ」
『今度チーズケーキ奢りね』
「えっ」

助かったわ～とヘラヘラ笑いながらでてきた彼方さんにプリントを投げつける。

『....それより、蒼飛くんは、？』
「ん？あー、さっき廊下で見たけど..ふーん、」

にやにやしていてかなり気持ち悪い彼方さんは置いておいて、廊下に出て蒼飛くんを探す

『あ、い＿＿』

声をかけようとした。

だが、できなかった。

蒼飛くんと仲よさそうに話している女の子が僕に気付いて、

＿＿＿＿勝ち誇ったような笑みを浮かべたから

ズキンと胸が痛んだ。

そのまま、ぼくは逃げるようにその場を立ち去る。
後ろからなぜか呼び止める声が聞こえたが、無視した。

『っ、はぁ、はぁ...』

誰もいない廊下、息がうまく吸えず、ぼくはその場にしゃがみ込んだ。
ズキズキと痛む胸を必死に押さえつけ、自分に、大丈夫、大丈夫と言い聞かせる

『....そりゃあ、モテるよな。』

生徒会メンバーで陸上部のエース。
かっこよくて、優しくて、頼り甲斐があって、

ぼくなんか、全然釣り合わないレベルで、

蒼飛くんはさっきの子みたいな、すごく綺麗な子が好きなんだ。きっと、

音もなく溢れた涙が、ぼくの頰を伝い、消えた