【オリジナル】百鬼会総長 (ページ11)

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私は重い足取りで、瀬戸川を運ぶ壊妬の姿を見ていた。

彼の背中から感じる“正義”。

『(本気で許せなかったんだろうな…)』

壊妬の言う事も分かる。

私だって、家族や仲間が傷付けられたら、壊妬みたいに暴走するだろう。

「…百鬼」

先生に名前を呼ばれ、振り向く。

「うちの息子がすみませんでした。許して下さい…」

土下座をしそうな勢いで、頭を深く下げる。

『…あれ以上やったら、許す気は無かったですよ。でも、超えてないんで』

「許してくれるんですか…?」

『んまぁ、そういう事ですかね』

先生は泣きそうな表情から、笑顔に変わった。

余程責任やら感じたんだろう。

『(一件落着、だな)』

私は一息付き、座席に座る。

すると、前の席のクラスメイトが後ろを向いて来た。

そして、声を小さくして、話しかけて来る。

「百鬼さん…」

『ん?どうしたの?』

「あの、百鬼さんって…凄いね…」

『…え、何で?』

少し照れくさそうにして、私を見つめる。

「だって、総長…だよね?雰囲気が、その感じだったから…」

『…バレたら仕方ない。そうだな』

私はマスクを一瞬下げてみせる。

微笑んで、マスクを戻す。

「カッコ良いなぁ…」

『ありがとうな。そう言ってくれて嬉しいよ』

クラスメイトは笑顔を見せて、前の方を向いた。

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