【オリジナル】百鬼会総長 (ページ12)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:3,011 hit

#9 ページ12

・

放課後__

『…さて。兄貴の所に向かうかぁ』

学生鞄を持って、3年の教室に向かう。

兄貴はいつも通りに戻ってるだろうか…。

『あ…』

「A…Aっ!」

目元を赤く腫らした兄貴は、私の名前を叫んで走って来た。

「会いたかったよ、ぉ…!」

ｷﾞｭｯ__

『おうおう、どうした?』

「馬鹿にされたぁ…皆に…」

『…あ?もう1回言ってみろ』

「馬鹿にされたんだ。“妹に泣き付いた”って…」

兄貴が馬鹿にされた?

…そうか。

本当の姿を知らないから、馬鹿にしたんだ。

『じゃあ兄貴。教室に行こう』

「え、あ…嫌だ…!」

私の袖を引っ張り、足を止めさせる。

『兄貴を馬鹿にする奴は、私が許さない。いくら先輩だろうがね』

「…ダメ…」

『何でだよ』

「Aが、傷付くの…俺は見たくない…」

良く見ると、兄貴の鞄に落書きが書いてある。

顔に殴られて、血が出た跡…私は怒りが湧いて来た。

『うわ、小学生並みの虐めだな。こりゃあ余計にぶっ飛ばさねぇと』

私は引き止める兄貴を振り払い、兄貴の教室に向かう。

此処に来るまでに、すれ違った先輩は居ない。

その為、まだ教室に居る可能性が出て来る。

私は教室の壁越しに、声を聞く事にした。

「いやぁ、あの輪廻が妹に泣き付くなんてなw」

「シスコンなのは知ってたけど、此処までとはねw」

「何か、輪廻の同級生って事が恥だわ」

「ちょっと虐めただけなのに、直ぐ逃げてさぁw」

馬鹿にした声や笑い声が聞こえる。

その光景に、私にはブチ切れた。

・