【d!】家出した幼い少女の心は (ページ4)

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4話ページ4

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gr「お、おう…そうか…分かったゾ！」

tn「大丈夫か…？…まぁ、付けていいんやったら、かわええ名前付けんとな」

グルッペンさんとトントンさんは考え始めた。

…どんな名前を付けてくれるんだろう。

『(そういえば私、何で名前を忘れたんだっけ…)』

普通ならそんなことは起きないはず。

…あぁ思い出した。

『(適当に名前を呼ばれて、呼ばれる度に違う名前だったから)』

定着する名前が無くて、毎回違っていた。

私が生まれたとき、何で決めてくれなかったんだろう。

…それはいくら考えても分からない。

8歳の脳じゃ余計に分からない。

gr「…よし、思い付いたゾ！」

tn「お、どんな名前なん？」

gr「Aはどうや？」

グルッペンさんの言った「A」は何だかしっくり来て、私にピッタリな気がした。

tn「流石やなグルさん。かわええ名前やん」

gr「せやろ？Aがかわええから、思い付いたんやで」

『まっ、また可愛いって…！！』

何でグルッペンさんは「可愛い」と言うのだろうか。

こんな私のどこが可愛いのだろうか。

tn「うーん、そういうとこやな」

gr「せやろ？」

『え、な、何が…ですか…』

tn「何でもないで、A」

二人はニヤニヤしていたが、聞いても教えてくれない。

…酷いなぁ、けれども知らなくていいこともある…と聞いたことがある。

だったら、知らなくていいのかな。

『あの…名前、ありがとう御座います！』

gr「！…喜んでくれてなによりやで」

tn「せやな。俺も嬉しいわ」

二人の笑顔は安心出来て、ここに連れて来られてよかったな、と思えた。

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