【誰かこの子を】日々樹渉の妹は狂ってた【救う事は出来ますか】

狂ってた ４渉side ページ4

『Aっ！Aいたら返事をしてください！！A！』

居ない

『A！貴方の兄が来ましたよ！何処ですか！』

居ない

『何処にいるのです？私と隠れんぼですか？降参しますので、もう出てきてください』


Aが、居ない

『･･･どこに、居るのですか･･･私のAは』


Aが行きそうかビルの屋上、川辺の近く、誰も住んでいない廃屋

心当たりある場所全て探しましたが、見つからないのです


『新しい場所でも、見つけたのでしょうか』

いや、私が知る限りもう無い筈


行く宛もないまま、私は街を走る


公園で遊ぶ小さな子供
それを見守る母親達

スーツを着てタクシーに乗り込んでいるサラリーマン

店に並ぶ客

忙しそうに働く人達




嗚呼、見つけました。Aの姿




『A』

「に、さん」


Aが居た場所は、見つけにくい小さな花屋でした｡

「おやAちゃん。御迎えじゃな」


店の奥から出て来たのはこの店の主人


『はい、Aがまたお世話になりましたね☆』

「良い良い、気にすることは無い。わしも孫が来たようで嬉しかったわい」

『そうですか！ほらA、帰りますよ？お礼を言ってください･･･☆』


「、、ありがとうございました、お爺様。また、元気になったら来ますね」

「うむ、何時でもおいで｣


頭を下げ、店を出た
度々あの花屋さんへ行くA。すっかり忘れていました

私はAの手を引き、病院側へ見つけたと報告



『探しましたよ？全く。Aはすぐ何処かへ行ってしまうのですから！』

心臓が潰れるかと思いました


「Aは、退屈だったのです！部屋にいると全てが真っ白で、色が無くて何も面白くない。でも花はどうです？色とりどりで、綺麗で、見ているだけで心が落ち着きます！｣

『それでも、勝手に外へ出てはいけません』

「･･･すみません、兄さん」

嗚呼、Aの悲しい顔は見たくないです


『A、私は別に怒っている訳では無いのですよ？それにほら、痣だって治りかけていますし、このまま行けば普通に外出許可も降りるでしょう！』

『最近は夜も眠れているようですし、ご飯も残しはしているものの三食全て取れています！Amazingではありませんか！！素晴らしいですよA！』

「ホントですか･･･？」

『ええ、嘘は言っていません！』


最近のAは、良く頑張ってます
看護師さんによると、fineのライブへ来る為だそう


我慢し過ぎてストレスが溜まってたのですね

◇

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