あの日のこと リドル編 ページ3
✤
あの日は普段と何も変わらない日だったんだ
いつものように彼がボクに話しかけて
ボクもそれに答えて
ボクが無理をすると 優しく叱ってくれる
とても優しいんだ
「リードル!」
「わぁっ…グレン おはよう」
「おはよう リドル」
笑顔がとても似合う
優しくて明るくて笑顔が眩しい彼
それが周りを惹きつける彼の魅力だとボクは思う
でも時々 彼は悲しげな表情をする
「…」
横顔がとてつもなく綺麗だった
だがそれと同時に恐ろしく思ってしまった
彼のルビーを埋め込んだような瞳には
"何も映っていないのだから"
虚ろな瞳でもなければ
キラキラしている瞳でもない
只只前をみていた
だからあの日
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ」
彼の悲鳴が聞こえて急いで彼のいる教室に向かう
その途中で別の寮長とも学園長とも合流して向かった
そして悲鳴の聞こえた教室を開けて中を除くと
彼のマジカルペンだけが残されていた
ボクらはマジカルペンを呆然と見ていた
彼に何があったんだろう
ボクらは彼を探した
もちろんマジカルペンも確認した
けれど彼はいなかった
あぁ これが彼のマジカルペンだよ
不思議な色だろう?
ディアソムニアは緑なのに彼の魔法石は
濃い青色なんだ
でもよく見ると赤色も混じっているだろう?
まるで彼を連想するのような色合い…
まぁ…今でもボクらは彼を探しているんだよ
消えてしまった…彼を
✤
121人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:🍊 | 作成日時:2020年6月3日 13時