【うたプリ】キミのいた証【翔】

episode５、王子様 ページ5

貴方「傍に…いて…？」


私は今にも消えてしまいそうな声で呟いた


ふと、顔を上げると、照れくさそうに微笑んでいる彼がいた


でも、すぐにビシッと姿勢を正して胸を張る


？？「おう!任せとけ!!約束してやるよ!」


？？「これから先、どんなことがあっても、ずっと傍にいるって」


彼は自分の胸をポンと叩くと力強くそう言った


彼の言葉が私の心にスッと入ってくる


貴方「(もう、1人じゃないんだ…)」


そう思うと嬉しくて、私は彼に満面の笑顔で答えた


？？「じゃ、改めてよろしくな、A!!」


貴方「うん!…ってあれ?」


今、私のこと、Aって呼んだ!?


出会ったばかりでお互い名前を知らないはずなのに…


貴方「あの…なんで私の名前…」


そう言った瞬間、彼は小さく「あ…」と呟いた


？？「お、お前は毎日泣いてたから心配だったっていうか…」


？？「まぁ…名前聞いたら仲良くなれるかなーとかそういう気持ちもあったけど…!!」


彼はごにょごにょと訴える


それから真っ赤な顔で言い放った


？？「と、とりあえず、力になってやりたかったんだよ!お前の!!」


貴方「…!」


彼が私の知らないところで私のことを思ってくれていたんだと思うと嬉しくなる


少しの沈黙が訪れたとき、彼がそっと口を開いた


？？「来栖翔」


貴方「え?」


　翔「俺の名前も教えたんだ!!これでおあいこだ!」


貴方「来栖翔…くん?」


ぼそりと名前を呼ぶと、彼は満面の笑みを私に向けてくれた


　翔「おう!改めてよろしくな!」


翔くんは私にそっと手を差し伸べてくれた


私は迷わずその手を握り、微笑んだ


どこか照れくさそうに笑う彼の顔はまるで王子様のようだった

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