【うたプリ】キミのいた証【翔】

episode２１、笑顔のために（薫Side） ページ21

次の日、僕らは病院の先生に交渉をしに行った

翔ちゃんとAさんを早乙女学園に通わせるために許可を取ろうとしたんだ


でも、そう簡単にうまくいくはずもなかった


翔ちゃんもAさんも心臓に疾患があるわけだから、医者もあまりいい顔をしなかった


　翔「ちぇ〜…なんで許可出してくんねぇんだよ…」

　薫「お医者さんも2人のことを心配しているんだよ」

　翔「そうだけどよ〜…」


翔ちゃんがふてくされたかのように病室のソファに腰掛ける


　薫「翔ちゃん…」


僕は悔しかった

せっかく翔ちゃんがAさんのためにここまでしているのに、大人たちの都合で2人の夢が壊されようとしていることに

そして、それに対し自分自身が何もできないことが何よりも悔しかった


　薫「(2人のために僕が出来ることって…)」


　薫「…あ」


ある

僕にできること


　翔「ん?」

　薫「いいこと思いついたよ!」

　翔「え?」


　薫「僕も学校に行く」

　翔「え⁉」


　薫「僕、医療系には自信があるんだ」

　翔「薫、何言って…」


僕の言う『学校』

それは早乙女学園の姉妹校である医者を育てる学校


早乙女学園の姉妹校なら早乙女学園ともそこまで距離があるわけじゃないし、何かあってもすぐに駆け付けることも出来る

それに医師の勉強もしていれば2人を救うことだってできる


　薫「僕が大人たちも認めるような医療の知識があれば、お医者さんも心配しないで済むでしょ?」

　薫「だから僕、学校行ってたくさん勉強して、そして医者になる!」


僕はまっすぐに翔ちゃんの目を見つめ言った


　薫「2人を守るために!」



そして僕らは何度も何度も交渉した

断られてもめげずに交渉を続けた


大人達が納得して2人を学校に行かせてくれるように…

そして、Aさんを笑顔にできるように…

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