第37話 ページ39
……寝やすい
なんかめっちゃ寝やすい
何というか…揺れが良い感じで揺り籠っぽい
しかも面積が広くて体がすっぽり入る
まるで誰かの背中の様な…
……ん?
よく考えたら私さっき土の上にいなかったっけ?
しかも横になってなくない?
え?
違和感を感じて目を開けた
「お、起きたか」
旦那だった
「…えっ?旦那?」
「そうだよ旦那だよ
木に寄りかかって気ィ失ってたし
足も怪我してるみてーだったから負ぶったんだけど
何かまずかったか?」
「いや全然
楽ですし」
もうこのまま送ってもらおう
「…そういえば
旦那は何で私の居場所分かったんですか?」
だってあそこ意外と奥深くの場所だったよ
「…それがなァ
俺も会ったんだよ
高杉に」
…うん?
「高杉晋助?」
「そうそう
あいつがボソッと
『Aを助けてやって』
って言うから
探したら木にもたれて寝てて」
…は?
高杉が私を助けてって言った?
いやむしろ私を殺す側の人間だろあの人
しかも私下の名前言ったっけ?
"雪岡"ぐらいしか言ってなくね?
「…そうですか」
一応相槌打っといた
「あーそれと一つ頼みがあるんだけどさ
俺の傷手当てしてくんねーか
ちょっと高杉にやられちまってよ」
…高杉仕事増やしやがった
「今度神楽と遊んでやってくれや
『あのカラクリ野郎のせいでAと屋台回れなかった』
って駄々こねてるから」
と言って、旦那は帰っていった
…そういえばまだ自分の手当てしてないな
眠いけど悪化しても困るので、先に手当てをする事にした
着物をめくって左足首を見る
「…あれ、これって…」
そこにはすでに紫色の派手な布が巻かれていた
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作者名:無野 眠莉 | 作成日時:2018年1月3日 12時