第36話 ページ38
刀を高杉に向かって振り上げる
避けられるが、顔を蹴ろうと足を上げた
また避けられたけど
刀を振り回すと、高杉が少しバランスを崩した
それを見て一気に振り下ろすが刀によって防がれた
力尽くで切ろうと力を込めた
「……女の癖に良い筋してんなァ
お前みてェな奴に会うなんて一期一会なんだろうが
悪ィな、情けはかけねェから」
「!!」
防がれていた刀で吹っ飛ばされる
咄嗟に受け身を取った
…やっぱ男に力じゃ勝てないか…
着物に付いた土を払って立ち上がった
「別にィ…
情けとかかけられても困るんで」
もう一度刀に力を込めた
多少脱力し扱いやすくして、正面から突っ込む
彼に勝つには技術しかない
今度は高杉も振り始めた
動きを見切って腹の辺りを突くが払われる
その瞬間高杉は横に刀を振った
体の右に来た刀を持ち前の反射神経で防ぐが
やはり力が強く体が吹っ飛んだ
瞬間、左足首が捻られたような感じがした
…まさか私捻挫した?
チラッと見ると大した外傷は見られなかった
でもズキズキ痛む左足首が物語っていた
…やっちゃった感じだなこれ
それを隠すように立ち上がった
まだピンピンしてる高杉は刀を握って近づいて来た
…次で決めないと死ぬな
刀を持ち直し彼の左を駆けた
同時に刀も振った
高杉の動きも私の動きも止まった
「……その状態で動き回るのはよせ
悪化する」
私はうつ伏せに倒れた
「…やっと見つけたのに
殺すのももったいねェしよ…」
132人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:無野 眠莉 | 作成日時:2018年1月3日 12時