つば兄と二人っきりの夜 ページ6
昨日はひか兄にハジメテを奪われまくったお陰で今日も引き続きひか兄のこと以外考えられなくなってる自分に凄く焦る。
他の人のことも考えないといけないと思えば思うほど、昨日のことが思い出されてすぐに顔が真っ赤になってしまう。
いけない。こんなんじゃすぐほかのメンツにもバレる。
隠さないといけないわけじゃないけどわざわざ話すような事でもないし……まぁ、昨日はまだひか兄も私の意思を尊重してくれたからキスとくすぐりとちょっとした意地悪()で我慢してくれたけど、、
……いやね、今日に限ってつば兄と二人っきりになるんだよね。何も起こらなきゃいいんだけど……。
「ねぇもーA！聞いてる？」
押し倒されはしないけれど、案の定台本持って相手役の練習台にはされている。なんとなく、予感はしていたけれど。
正面から抱きしめられた状態でソファに座らされて、首元にはお互いの髪の毛が触れるくらいにくっついている。
いつも抱き締めてくれるけどそれとは違う密着時間と距離に心臓が早鐘を打つ。
「わたしは…その件には答えられません」
「もっと可愛く言ってー！」
「いや、このセリフそんな可愛く言うものじゃなくない？」
「そんなキッパリ言われる乙女ゲーねぇーし。攻略対象のほとんどがドSなんだからそんなドMもビックリな言い方、辞めてよ〜」
「そっちこそ、そんな言い方しなくても……あーはいはい」
なんてやり取りは本当にマンションにいた時と全く変わらなくて、この兄は果たしてやる気があるのか問い質したくなる。いや、私が決められないせいだけど。
「昨日、何してたの？」
「そんなセリフなくない？何ページ？」
「いや、Aの話」
「私の？昨日かぁ〜、仕事から帰ってきたらひか兄と一緒に寝たよー」
「それだけ？」
うわぁ、めちゃくちゃに疑われてる……まぁでも私がわかりやすい態度取っちゃったからかなぁ。
「ひか兄がさ、Aのハジメテを貰ったってみんなに一斉送信して…」
「いやいやいや、待って！皆ってここに住んでるみんなだけだよね？？」
「あー…」
「え、もしかして本当に皆に送ったの？？あの人馬鹿なの？？」
そんな言い方したら誤解されるに決まってるし、京兄に邪魔されるじゃん。
やっぱりひか兄が一番好きとか思ってた自分に今すぐ警告を出しに行きたい！！やっぱりひか兄はちょっと過激すぎるよ！！
「私、まだ処女だよ？」
続く
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作者名：朝日奈友月@椿光弥愛してる | 作成日時：2019年2月13日 23時
