毒舌スーパーアイドルは朝日奈になりました2 (ページ45)

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第94話『利用して利用されて。ただし円満解決』ページ45

光side

は？祈織におかされた？

光「ねぇ、アンタそれ大丈夫じゃないでしょ？」

貴『でも全部じゃなかった』

光「アンタねぇ、俺はそんなこと言ってんじゃないの。これからもソイツと住めんの？」

貴『えっ？』

ああ、もしかしてまた記憶が混同しちゃってる？

貴『あっそうか……。私、光に会いたくて、だから電話してみたの』

光「嬉しい事言ってくれるじゃん」

貴『光と付き合えたら良かったのに』

この子は……何を迷ってるの？

貴『ごめん、失言した。忘れて』

光「どうしてそう思っちゃったのかだけ聞かせて」

貴『……さっきね、祈織さんに言われたの。「本当は誰でもいいんじゃないの？」って。本当にそうだったら光と付き合えたのにって思っちゃったの。それだけ』

光「体が欲しいの？」

貴『えっ！違うよ！ただ、椿さんは忙しい人だから…その…あまり長く一緒に居られないでしょ？椿さんの声を聞くのだって何万人と居るわけだし、それに、夏鈴たちのことを思い出しちゃった時も椿さんは居ないから……ワガママ言ってるって分かってるけど、それでも…！』

光「分かった。俺が家で仕事出来るから、ってことだろ？」

貴『ごめんなさい……』

光「いや、全然気にしないから大丈夫だって。むしろ、それを利用して椿が居ない時はうちに来ればいいよ。兄妹なんだからさ、ね？」

貴『いいの？』

光「ああ、いいよ。アンタの数少ないワガママなんだから叶えてやりたいし」

貴『光』

光「うん？どうした？」

貴『明日、来てくれる？』

光「ああ、勿論。妹のお願いなんだから聞くよ」

貴『そっか、嬉しい。じゃあ、おやすみ』

光「ふふっああ、おやすみ」

Aを元気に出来るならいくら狡かろうが俺は叶える。まぁ椿が妬くでしょうけどねぇ。そんなこと俺の知ったこっちゃないけど。

貴女side

翌朝、マンションの方へと要さんの運転で帰る。その準備をしている時、侑介さんが部屋に来た。

侑「あ、あああのさ、ずっと前にもオメーに言おうと思ってたんだけどよォ、俺、オメーのことが好きだ！」

貴「ええっ！ご、ごめんなさい」

侑「いや、いーんだよ！俺が言っておきたかっただけだからよォ。オメーは気にすんな！じゃあな！」

貴「あっちょっと待ってください！」

侑「んあ？どうしたんだ？」

貴「好きになってくれて嬉しいです。ありがとうございました！」

侑「お、おう！じゃあまた後でな！」

そう言って侑介さんは走り出して行った。