鏡花水月２ (ページ7)

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･ Aran side

屋上に行こうと思ったけど鍵がかかっていて
借りに行くのもだるいし適当に空いてる教室でAの事を待つことにした

自分なりに頑張ったつもりなのに

いつも通りHRが終わってすぐ荷物をまとめるAを見ていたら何も伝わってないんだなって感じた

窓からグラウンドを見渡す
サッカー部の部長が視界に入って、目で追っていたらマネージャーからタオルを受け取った

幸せそうに笑って
そのマネージャーの頭を撫でた

羨ましいとかそんなんじゃなくてただ、
キラキラしてるなって思った

「え、何で残ってんの？」

足音が近くなるのがわかったけれど無視していたら声をかけられた

声の方に視線を移せば
まあ会いたくない奴がいた

「Aと帰るから。てか何でいんの」

「なんでって、その坂下さん見てない？」

「見てない」

そいつの口からAの名前が出た事にあからさまにイラついてしまう

何より知ってても絶対教えない

「待ってたんだけど来なくてさー。帰ったのかなって思って探しに来たんだけど、顕嵐と一緒じゃないんだ」

特に意味は無いと思うけどその

俺と一緒じゃないんだって言う言葉が癇に障る

「さあ、知らない。電話かけてみる？」

「いやいい、ありがとな！もうちょい校舎の中探してみるわ」

そう言って早歩きで教室から出てった数学教師の後ろ姿をじっと見つめた

こいつにあって俺に足りないものなんて沢山思い付くけどAの事、なんも知らねえじゃん

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