鏡花水月２ (ページ12)

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荷物をまとめて急いでクラスに向かうと、教室に１人、顕嵐が待っていてくれた

「顕嵐……」

急いで自分の席に座った

どんなに居心地が悪くなろうが私の幼馴染は顕嵐で
私の事を理解してくれるのは顕嵐で
私の欲しい言葉をくれるのも顕嵐

窓の方を向いて寝ている顕嵐を呼ぶと、ゆっくりとこっちを見てくれた

「え…お前どうしたのその顔」

「え？」

顕嵐の指が動いて目で追っていたら
頬を流れていたらしい涙を拭った

「なんで、泣いてんの」

先生の前で涙を流してから無意識のうちに今までずっと泣き続けていたのかな

涙で揺れ始めた視界には顕嵐しか映っていない

顕嵐は心配そうな表情をしながら

「誰かになんかされた…？」

と問いかけてきた

今ここで先生の名前を出すべきじゃないし
言ってもどうにかなるわけじゃない

けれどなんでもないよなんて言える顔じゃない

「もしかして、あいつ？」

顕嵐の言うあいつは多分、その通りの相手

「さっきここに来て、A見てないかって聞かれた」

まだそうだよ、なんて言っていないのに
顕嵐には言わなくても伝わってしまうのかな

「俺余裕ないからさ、知ってても絶対教えねえって思った。」

「俺なら、幸せにできる自信あるのに」

次から次へと溢れ出る顕嵐の言葉を受け入れるしか出来なかった

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