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8.side彩 ページ9

あれからさらに2ヶ月がたった。

事件が見つかった様子はなく、憂鬱な毎日が続く。

さらに、夏休みに入るからと言って、何故か秀明が休みになってしまった。

今までは夏塾という形で秀明があったんだけど、今年は無いんだって。

他の人達はうれしいかもしれない。

でも私は、Kzの皆に会えなくなってしまった。あぁ・・・。

さらに憂鬱な気持ちになる。いつもだけど下を向いて校門を出た。


?「アーヤ!」

名前を呼ばれてふと顔をあげると、そこにはなんと、

彩「ゎ、若武!?皆も・・・」

Kzの皆がいた。周りに人だかりが出来始める。

何てことしてくれるのよ!

私は青ざめながら黒木君を見た。黒木君は、困ったような顔で首を振った。

きっと若武が言うこと聞かなかったんだ!

私は周りからの痛い視線に耐えながら、早足で並木の直線を抜け、若武たちからなるべく離れた。

若「おい、アーヤ、待てよ!」

若武の声を背中に進む。いくつかの角を曲がってから私は自分の足を止めた。

若武のバカっ!また目をつけられちゃうよ〜!

ひとりでため息をついていると、後ろから皆が走ってきた。

若「何で行っちゃうんだよ!」

黒「まぁまぁ若武、落ち着けよ。ごめんね、アーヤ。
  今日の若武は言うこと聞かなかったんだ。」

若「だって話したいことがあったから!」

彩「じゃあ携帯に電話すれば良かったじゃない!」

若「したけど出なかったんだよ!」

電話をした?そんなの知らない。おかしいと思ってバッグの中を探る。

・・・そうだ・・・私、今日、携帯忘れたんだった・・・。

彩「うっ・・・じ、じゃあ、家の携帯にかければよかったじゃない!」

若「なっ・・・うっせぇ!」

私と若武がにらみ合っていると上杉君が言った。

上「そんなことより若武、要件を伝えろよ。」

若「あぁ、そうだった。アーヤ、今週の土曜日俺ん家に集合な!」

彩「・・・それだけ?」

若「それだけとは何だ!この俺がわざわざいいにきてやったんだぞ!」

彩「はいはい、わかりました。土曜日に若武の家に、ね。」

若武は満足そうにうなずくと、

若「じゃな」

と言って帰って行った。

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作者名:彩芽 | 作成日時:2016年12月16日 7時

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