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30.side彩 ページ31

その日、若武、上杉君、小塚君が夕飯の買い出しに行っているとき、黒木君に聞いてみた。

彩「私ね、変なの。」

黒「なにが?」

彩「なんでかわからないけど、いつも、悲しいの。
  何もかも思い出して嬉しいはずなのに、辛いの。
  上杉君は違うのかな?黒木君だったら、嬉しい?」

黒「上杉も、うれしい訳じゃないと思う。でも、悲しくもないんじゃない?
  上杉は、自分の気持ちに気づいてないからね。
  その点、アーヤは知りたいんでしょ?」

彩「・・・知りたい。黒木君、知ってるの?」

黒「確信はないから教えられない。だけど、わかったら教えようか?」

彩「お願いします!」

黒木君は少し陰のある笑顔で頷いた。


2日後、この間と同じ状況になって、黒木君に聞いた。

彩「わかった?」

黒「あぁ。聞きたいかい?」

私は首がちぎれんばかりの勢いで首を何度も縦に振った。

黒木君は頷いて言った。

黒「アーヤ、君は上杉に恋をしたんだ。」

彩「え・・・恋・・・?」

黒「ああ。そうだよ。俺がこの2日間で確信を持った理由。
  それは、アーヤの目線だ。アーヤの目線はいつも、上杉に向いていた。
  たぶん、無意識だったんじゃない?」

彩「・・・うん、そんなつもりなかった・・・」

黒「だろ?それが何よりの証拠だよ。」

その時、3人が帰ってきた。

若「今日の夕飯は肉だぁ!」

上「早く食おうぜ。」

皆が盛り上がる中、私の頭の中には、

恋の一文字がこだましていた。

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作者名:彩芽 | 作成日時:2016年12月16日 7時

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