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29.side彩 ページ30

若武が皆を見回す。上杉君が手を開けた。

上「俺が、立花に昔話してた。」

若「昔話?」

黒「これはまた興味深いな、上杉教授?」

小「どんな話?」

小塚君の問いかけに、上杉君が私をみる。

上「はなしていいか?」

彩「上杉君が良いなら。」

私がそう答えると、上杉君はうなずいて話し始めた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

上杉君が話し終えたら、皆唖然としていた。

若「マジかよ・・・」

上「ああ、マジだよ。」

黒「いやぁ、でもまさか、上杉とアーヤにそんな過去があったとはねぇ〜」

皆の会話を聞いているうちに、私の中でも、どんどん記憶が戻ってきて、

涙が止まらなくなった。

上「立花、部屋で休んでこいよ。」

私は部屋に戻って、静かに泣いた。

そしてある覚悟を決めた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その頃男子たちは・・・

若「・・・で、おまえらこれからどうすんの?」

上「なにが?」

若「だから、4歳の時、アーヤが好きで、今も何だろ?」

上「は?・・・マジ?」

黒「上杉、好きってこと気づいてなかったの?」

上「そっか・・・これは、恋心だったんだ・・・」

若「・・・おまえなぁ、なにポエム言っちゃってんだよ!」

小「恋は上杉を詩人にするんだよ。」

皆「はぁー・・・・・・・・・・」

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彩「ごめんね皆。落ち着いたから大丈夫。」

若「そっか。こっちの話もすんだし、今日は勉強するか。」

そしてその日は、それぞれ、好きな教科を勉強した。



それから一週間、皆は私に話しかけるとき、きづかってくれていた。

私自身、常に悲しくて泣きたいような気持ちだったから、

とても助かっていた。

でも、なんで悲しくなるのか、自分でもわからなかった。

なくした記憶を取り戻して、会いたい人にも会えたのに、

どうしてこんなに悲しいの?

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作者名:彩芽 | 作成日時:2016年12月16日 7時

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