君の心が知りたくて。第1期 (ページ24)

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23.side彩ページ24

その日の夜、

ずっと機嫌が悪い若武と一緒に寝ていると思うと気になって眠れず、ひとりで外に出た。

ばれたらまた叱られるだろうな。と思いながらも、

私の頭の中はあの言葉でいっぱいだった。

思い出したい。思い出したいのに思い出せなくて、

思い出しそうになるととっても悲しくなる。

誰か･･･教えて･･･

そう思っても、誰も助けてはくれないことはわかっていた。

はぁーっと大きくため息をつくと、後ろから声をかけられた。

上「なんかあった？」

彩「上杉君。」

上「夢の話か？」

彩「うん、ちょっとね。」

上「俺にできることなら手伝うぜ？」

彩「･･･じゃあ、上杉君はさ、自分の小さい頃のこと、憶えてる？」

上「･･･憶えてるけど･･･」

彩「じゃあ、教えてくれないかな？皆にあったのが、小学六年生の時でしょ？
　その前のこととか、知りたいんだ。皆には明日聞こうと思ってたんだけど。」

上杉君が真剣な顔になる。少し考えた後私を見て言った。

上「俺はいいけど、お前、後悔しない？」

彩「･････････うん。」

上「わかった。座れよ。」

上杉君は芝生が生えたお庭に寝転がった。私も隣に座る。

上「俺が小さい頃、まだ若武達とあってない頃、俺は東京にいなかったんだ。」

その言葉から始まった上杉君のお話は、

信じられないくらい悲しくて、衝撃的な事実だった。