17.side彩 ページ18
ピチュピチュピチュ・・・
小鳥のさえずりで目が覚める。若武の方を見ると、まだぐっすり寝ていた。
起こさないように気をつけながら着替えをすませてメインルームに向かうと、
もう皆起きていて、
上杉君は新聞を、黒木君は珈琲を、小塚君は三谷大塚の参考書を持って座っていた。
朝一の皆は、いつも通りなんだけど小さな特別感があって少しドキドキした。
小「おはよう、アーヤ。若武は?」
彩「まだ寝てたよ。朝ご飯なにがいい?」
パンがいいかご飯がいいか聞こうと思ったんだけど、返事が返ってこないので顔を上げた。
すると皆が、私をじーっと見ている。
彩「な、何?」
不思議に思って聞いたら、上杉君と小塚君がはっとして目をそらす。
上「別に。」
小「何でもないよ・・・。」
2人の頬はピンクに染まっている。そんな2人を見て、黒木君が微笑んだ。
黒「こっちの話さ。気にしないで。それより、朝ご飯だけど、俺はトーストがいいな。」
黒木君にさりげなく話を戻された気もするけど、まあいいかと思い、上杉君達にも聞いた。
彩「じゃあ、皆トーストね。」
私は、パンを探しにキッチンへ向かった。
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ーその頃男子達はー
小「ねぇ、今のアーヤの質問、まるで夫婦みたいじゃなかった?」
上「あぁ、若干そんな気がした。」
小「ドキッとしたよね。」
黒「アーヤって、天然小悪魔だよね。自分では気づいてないみたいだけど。」
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パンを5人分(一応若武の分も)作り終えてみんなの方に行った。
「いただきます」
皆で言ったとき、メインルームのドアが開いた。
そこには、ぶすっとした若武が立っていた。
小「おはよう若武。」
上「今日は島崎さんがいなかったから、寝坊助ちゃんなのか?」
上杉君が嫌みたっぷりに言うと、若武は悲しそうな顔をして部屋に戻ろうとした。
彩「若武!おはよう、ほら席ついて。ご飯食べよ?上杉君もそういうこといわないの。」
若武が足を止めた。上杉君が、チッと舌打ちをした。
それを聞き逃さなかった若武が、振り向きざまにニヤッとしながら上杉君に言った。
若「はっ、起こられてやんの。」
上「んだとっ!」
若「やんのか?」
2人が立ち上がったので、私はたまらず、机を両手でバンっと叩いた。
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作者名:彩芽 | 作成日時:2016年12月16日 7時