10.和彦の心 ページ11
僕が初めてアーヤに会ったとき、わぁ、かわいい子だなっておもった。
でも同時に、僕のことなんて相手にしてくれないんだろうなって思った。
今までの女の子は皆そうだったから。
僕のことを『かわいいクマのお人形』としか見ていない。
わかってるんだ。相手に悪気はないんだってことくらい。
わかってるけど、上杉や若武、黒木といると、余計気になる。
若武や上杉がうらやましくてしょうがないんだ。もうそんなお年頃かって思った。
アーヤとの初めての事件の時。
あぁ、アーヤは女の子なんだって感じた。
初めて、女の子を女の子として見た瞬間だった。
でもしばらく関わるうちに、女の子として扱うなって、若武達は怒られたらしい。
僕はその話を聞いた後、改めてアーヤを見てみたんだ。
すると、アーヤに対する印象と感情が、自分の中で変わっていることに気づいた。
アーヤは、女の子として、皆にかばってもらいたいんだと思ってた。
だけど全然違くて、周りから学ぶことを、全部自分の人生として見ているんじゃないかな。
周りと比べてばかりいる僕に比べてアーヤは、
自分にできなくて相手にできることを周りと比べながら、
自分にできることと相手にできないことも比べていたんだ。
僕はそんなに憧れた。その憧れは恋心だって気づいた。
でも、アーヤのために、皆との関係を築き続けるために、
感情を捨てて、ただの憧れにしようと決意したんだ。
ーー傷つきたくないからーー
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作者名:彩芽 | 作成日時:2016年12月16日 7時