PRESTO！【ars M.A】 (ページ2)

今日:11 hit、昨日:3 hit、合計:647,894 hit

2.身辺整理。ページ2

「さよなら...」

段ボールの中に、DVDを詰め込んで行く。

「奥さん...今までありがとう...」

大勢の団地妻さん達、可愛い巨乳ちゃんやセクシー家庭教師さんなんかも混ざってる、とにかくそんなDVDを俺は手離す事にした。

身辺整理だ！

『クリーンな雅紀くん』になって、俺はAちゃんにちゃんと告白すんの。

チェストの上に並べてる、勿体無くて飲めない二本のレッドブルと吸えない一箱の煙草。

そして『あいば』って可愛い字で書いてある、名札。

ニマァって顔が緩んでしまう。

段ボールの蓋を閉めて、ガムテープで留めて

宅配便の送り状をそこに張っつけて、宛名を書き込んだ。

「嫁ぎ先で可愛がって貰ってね」

ポンポンと段ボールを叩いて、俺はそれを抱えてコンビニに向かう。

コンビニを覗くと、Aちゃんがレジで肉まんを補充してた。

「こんにちはー」
「あ、雅紀くん。いらっしゃいませ！今日はお休み？」
「うん、休み。今日も寒いねぇ！」
「じゃあ、ホッカホカの肉まんはいかがですか？」

補充してる肉まんを俺に見せて、ニコっと笑う。

...可愛いなぁ...。

「うん...貰う...」

あぁ、駄目だ。

俺、Aちゃんに言われたら何でも買ってしまいそうだ。
貢いでしまいそうだ。

「あれ？大荷物だね」
「...あっ！そうだ！宅配お願いします！」

本来の目的を忘れてた俺は、レジカウンターに段ボールを乗せた。

「じゃあ、これと肉まんだね？」
「うん」
「煙草は？」
「貰おっかな」

はーい、ってAちゃんはいつものように俺の煙草を出してくれる。

「あ、これ中身が何か書いてないんだけど...」
「えっ！？」
「書かなきゃダメなんだけど...私が書いとくよ。何が入ってるの？」
「あ...えっとぉ...DVD...」

別に内容を言った訳じゃないのに、悪いコトしてるような気分になって落ち着かない。

Aちゃんが俺が書いた送り状に『DVD』って書き込んでるのを、ソワソワしながら眺める。

「あの...さっ、俺、ディズニー好きでさぁ！」
「あー！そうなの？私もー！」
「何か、店のお客さんにディズニー映画のDVDいっぱい貰ったから...お裾分けしよっかなー...ってさぁ」
「そうなんだぁ」

うんうん、って頷く俺をAちゃんは別に不審がる事も無く会計をした。

Aちゃんに会いたいってだけでここのコンビニに持って来ちゃったけど...

ちょっと段ボールの中身がアレ過ぎて、俺のソワソワ半端無い。