空想男子アディクション【ars】 (ページ27)

今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:1,669,665 hit

３ページ27

「オレのはこっち」

出て行ったと思ったニノミヤがあっとゆー間に戻って来て、また私の隣にストンと座った。

「何が？」
「そっち方面の趣味」

何の話だ？と思いながら彼を見ると、「ほい」ってDVDを渡される。

「......」
「オレが求めるのは『良い顔、良い声、良いカラダ』」
「...なるほど...」

私の手の中には、アイドル顔負けの可愛い女の子がプリプリした身体を小さな布っきれだけで隠して微笑んでるDVDのパッケージ。

「こんなに可愛いなら、モデルさんでも出来そうなのにね」
「えっちが好きなんじゃない？」
「そうなのかな」
「天職だって言ってる子もいるみたいよ？そーゆー女優さんの中には」
「ふーん...」

オレとしては可愛い女優さんが増えるの大歓迎！って笑うと私の肩に顎を乗せて、手元のパッケージをトロンとした目で見てる。

「カズはこの子のファンなの？」
「フハハッ！さすがにそんなんじゃねぇけど、可愛いなぁと思って」

確かに可愛い。

目なんかクリクリしてて、ポッテリした唇が女の私から見ても色っぽいし。
そんなロリータフェイスなのに、身体はしっかり大人だし。

...ってゆーか、私とえらい違いですけど！むしろ正反対な気がする！

「あれ？ンフフ、ヤキモチ？」
「...そんなんじゃないんだけど...何か、カズって本当に私が良いのかなと思って...」
「バーチャルに望む物と、リアルに望む物は違うでしょ」

そう言いながら私の髪を耳に掛けて、丸見えになった耳朶に柔らかい唇を当てる。

そのまま耳孔に舌を挿し込まれ、背筋がゾクっとした。

「観る？」
「...え？」
「この子のえっち、一緒に観る？」
「......何言ってんの...」

ニノミヤが「行こっか」って私の手を引いて立ち上がらせて、そのままリビングに連れて行く。

「座ってて」
「ねぇ、本気で言ってんの？片付けまだ途中なのに...」

しゃがんでデッキにディスクを入れてる彼の後姿に言っても、チラっと振り返って笑うだけで何も言ってくれない。

リモコンを持ってソファまで戻って来たニノミヤは「ちょっとお邪魔します」って隙間に入り込んできて、私を後ろから抱え込むように座った。

ニノミヤの腕が、背中から私の身体に巻き付く。

広げられた彼の脚が、閉じた私の脚の外側に投げ出されてる。

「じゃあ、上映会始めまーす」
「......」

ニノミヤがリモコンをテレビに向けると、その画面にさっきパッケージで微笑んでた可愛い女の子が浮かび上がった。