明日の天気の話をしよう 7th【ars】 (ページ8)

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218.有無を言わさない。ページ8

それから暫く二宮くんとバッタリ会うって事も、LINEが来るって事も無かった。

忙しいのかな...なんてふと思って、すぐにプルプルと頭を振る。

別に二宮くんが忙しかろうが何だろうが、私には関係無いんだから。

そんな事をグルグル考えてた時だった。

ランチ営業から帰って一息ついてたら久々に届いた二宮くんからのLINE。

『質問』

やっぱり簡潔で単語だけ。

『何でしょうか。答えられる物と、そうでない物がありますが』

出来るだけ感情が読めないような文章で送り返すと、すぐに既読が付いた。

今、スマホ見てんだ...。

LINEの【既読】は、相手の今をリアルにする。

『クロを連れて入れるカフェ知んない？』
『ドッグカフェ？』
『そう。今まで行ってた店が閉店すんのよ』

単語だけじゃ無くなった文章は、二宮くんの声まで聴こえて来そうな位に話口調そのままで笑ってしまう。

『何軒か知ってるお店あるけど』

カフェ好きの私を舐めて貰っては困る。
将来はカフェを開きたいって夢は、結構本気。

だから、「調査」と言う名のカフェ巡りは私のライフワークだった。

『どこ？近い？』
『一番近いとこは電車で20分位』
『行きたいんだけど、最寄駅は？駅からは近い？』
『住宅街の中にあるお店だから、説明するのがちょっと難しいんだよね』

確か、あの店はホームページがあったはず...きっとそこにアクセス方法や地図があるだろうから、URLを送ってあげよう。

そう思ってググってたら、また届いたLINE。

『連れてってよ』

連れてって...？

すぐに反応できなくて液晶を見たまま固まってると

『どこにあんのか分かんないから、道案内してよ』

分かんないって、私まだ何も教えてないもんね。
店名すらまだ教えてないもんね。
そりゃ分かんないよね。
だからホームページを...

『既読無視すんな！』

いやいやいや！無視してる訳じゃ無くって！！
ってか、ちょっとセッカチすぎやしませんか！？

『無視なんかしてないよ！返事しようとしてたの！』

だけど何て返事すれば良いんだか分かんなかったんでしょ！

やっぱりすぐに既読が付いて、返信もすぐ届く。

『連れてって』

これは私の返事なんて、聞く気無さそうだ...。考える暇も無く降参。

『分かった。いつ？』

私の仕事の都合もあるし、あっちもまだ学校通ってるっぽいし。

『もちろん今から』

予定を調べる為に手帳を開いてた私に届いたのは、これまた想定外の一文だった。