た ページ12
起きたら全部夢だった...
ってのが、まぁ私の想定。
寝室のベッドの上で目を覚まし、天井を見詰めながら「夢に決まってんじゃん」と呟く。
だけど、リビングの扉を開いた私の目に飛び込んで来たのは
ソファの上に横たわり頭の下にはハートのクッション、腕を組んでクロスさせた長い脚を肘掛に乗せて寝てるラブリー男子。
「...夢じゃなかった...」
しかし、睫毛長いな...
半開きのお口も、色っぽい...
「ん...んー...」
私が上から見下ろしてると、マサキがモゾモゾ動いて
ゆっくりと黒い目が開いた。
「ん...おはよ、Aちゃん...」
ふにゃっと微笑んだマサキが、寝起き感満載の色気声で囁く。
「おっ...おはっ...おはようっ！！」
「フフッ...朝から元気だねー、Aちゃん...」
よいしょ、と身体を起こした彼が形の良い後頭部をワシャワシャと撫でる。
サラサラの髪についてた寝癖は、それだけでかなり落ち着いた。
「あのっ...マサキ...」
「ん？」
「目のやり場に困るんだけど...」
立ってる私を見上げてるマサキは、スーツのジャケットを脱いだ白いワイシャツ姿なんだけど...
「...ちょっともう...どんだけボタン外してんのよ」
「えっとー...4つ？だって、窮屈なんだもん」
4つもボタンを外されて、裾もパンツから出されちゃってるソレは
もうワイシャツってよりも、ただ引っ掛けられてるだけの布って言う方が正しい気がする。
「...仕事の帰りに、何か買ってきてあげるよ...」
「え？」
「ずっとスーツじゃしんどいでしょ！だから、...楽な服買って来たげる...」
自分でも何言ってんだ、って思う。
だって、それってマサキにこのままここに居て良いよーって言ってるのと同じだし。
嫁入り前の女子が、昨日初めて会った人...ってか、魔人と一緒に暮らそうとしてるとか...
どうかしてる！
私、どうかしてる！
けど...
「ありがと！Aちゃん！」
ガバッと私の腰に抱き付いて来たマサキの頭をポコポコ叩いて
「わっ！離れろっ！変態っ！」
「僕ここに居て良いんだー！」
「...ばかっ！あと二つ願い事叶えて貰わなきゃいけないからでしょ！」
「あ、そっか！」
そんな会話を交わしながら、ずっと抱き付いてるマサキにドキドキしてるのは間違い無くて。
「僕がなーんでも叶えてあげるからね！」
腰に巻き付いたまんま、上目遣いに見上げて来るマサキの絶妙な小悪魔っぷりに
ハァ...と溜息を吐きつつも、やっぱキュンとしてたりもするんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1003人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2014年12月5日 15時
