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先程の余韻に浸りながら部屋に戻る。







やはりいつもと違う、心は確かに満たされていた。









今日は何を思ったのか、いつも灯しっぱなしの蝋燭の火を扇子でかき消し、布団に体を挟み込む。









せめてこの心の内を誰かに話したくて、
Aは外の彼岸花に声をかけた。




『今日はね、何故か暖かいの。私、こんなの初めてで…』









当然返事はない。




わかってはいたが、それでも良かった。









――――暗闇は嫌いだ。

時折、吸い込まれそうになるから。




こんな醜い自分を見ているようだから。









そう思っていた闇が、今日はなんだか心地いい。



この浮き立った気持ちを優しく沈めてくれるようで。









『……明日も、また会えるのかしら』







初めて明日に期待を抱いたAは、
静かに目を閉じた。

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作者名:タコ無し焼き | 作成日時:2018年2月8日 23時

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