朝比奈家の長女は小鳥遊事務所所属の睦月始の幼馴染み

27話 ページ28

祈織side

部屋に帰ったら誰か来たのかなと思った。ドアノブが少し傾いていたから。

リビングに行くと、右京兄さんがいた。

右京「ああ、祈織。どこに行っていたのですか？」

「庭に行って花たちに水をあげていたんだよ。」

右京兄さんはまだいいかな。要兄さんだったらすぐに帰っていた。

右京「そうですか。美保が行ったのですが留守だったと言っていたので心配をしていました。」

美保？美保が来たの？いつだろう。

右京「ですが、要と会ってしまって入れなかったみたいです。」

要兄さん？！また邪魔をするの？

「美保は？」

右京「部屋にいますよ。要に怒られていたのでしばらく閉じこもるでしょう。美保のこと、よろしくお願いしまくね。」

「うん。」

右京兄さんは僕達のことを認めてくれているんだ。

その前に、美保だよ。美保、すぐに行くから待ってて。

要兄さんも馬鹿だね。美保が怒鳴られるの嫌いなの知っているのに、怒鳴ってから。これで要兄さんは印象が下がった。

要兄さん、さようなら。

ｺﾝｺﾝ

「美保、僕だよ。」

貴「祈織兄さん？」

「うん。開けてくれる？」

ｶﾞﾁｬ

開けてくれた。開けてくれないかと思った。

「ありがとう、美保。」

すぐに入っていって美保の様子を見た。

「っ！」

美保は凄くやつれていた。要兄さんのせいだ。要兄さんのせいで美保が、僕の美保がやつれてしまった。要兄さん、一生恨むよ。

「美保、大丈夫？僕が見える？」

貴「祈織兄さん、、、、。私が悪いの。私が祈織兄さんのそばにいたから要兄さんが怒った。私が悪いんだよね。ごめんなさい。ごめんなさい。」

「美保、、、。」

ダメだ、混乱している。このままじゃあ、僕のことを忘れてしまう。美保、美保まで失いたくないよ。

「美保のせいじゃないよ。美保は悪くない。悪くないんだよ。悪いのは要兄さんなんだから。」

貴「祈織兄さん、、、。私は悪くないの？要兄さんに怒られたのに悪くないの？」

完全にネガティブになってる。どうすればいいの？要兄さん、最悪だよ。

美保がこうなることくらいわかっているのに。どうして要兄さんはそうするかな。

「美保は何も悪くないよ。ずっと僕のそばにいてくれればいいよ。美保のことは僕が守るから。」

貴「祈織兄さん。私は祈織兄さんのことが好き。そばにいてもいいの？ずっと。」

「うん。いいよ。」

貴「ありがとう。」


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