朝比奈家の長女は小鳥遊事務所所属の睦月始の幼馴染み

14話 ページ15

そう思ってると祈織兄さんがまた抱きついてきた。

「い、祈織兄さん？！」

祈織「今日はこのまま話してもいい？」

「い、いいけど、、。」

急になんで？！なんで急に後ろから抱きしめて話すの？耳に祈織兄さんの息とか声が聞こえてくすぐったい。

「ん、、、。」

祈織「くすぐったい？」

「ん、、、ちょっと。」

祈織「ごめんね。今日はこのままがいい。」

祈織兄さん？なんだかいつもと違う気がする。何があったんだろう。また要兄さんが何か言ったのかな。

どうして私たちの邪魔をするの？祈織兄さんの好きにさせてあげないの？

「いいよ。このままでも。」

祈織「ありがとう。」

でも、まだ詳しくは聞かない。きっと、この後祈織兄さんから話してくれるから。何があったのか。

祈織兄さんはずっと抱きついたままで、話そうとしなかったけど、数分後、話してくれた。

祈織「実はね、昨日の夜要兄さんが部屋に来たんだ。」

「え？」

要兄さんが祈織兄さんの部屋に？なんで？どうして来たの？そう聞きたかったけどすぐに祈織兄さんは話した。

祈織「美保に近づくなって。お前はまだ冬花ちゃんと重ねてるんだって。そう言ってきた。」

「なっ！祈織兄さんはもう私と冬花ちゃんを重ねてない！どうしてそんな事言うの？！」

祈織「要兄さんは僕のことわかってないんだよ。僕のことわかってるのは美保だけだよ。」

祈織兄さん、、、。私は祈織兄さんのことを分かってる。何もかも。もう祈織兄さんは要兄さんの手助けがなくてもいいことも。私たちを重ねてないことも。

私は分かってる。その気持ちをこめて、祈織兄さんのうでを握った。

祈織兄さんもそれに気づいたのかもっと私のことを抱きしめた。

祈織「美保、、、。美保は僕のそばを離れないでね。僕の前から消えないでね。僕にはもう美保しかいないから。」

「うん。消えないよ。私はずっと祈織兄さんの隣にいる。ずっとね。」

祈織「ありがとう。」

祈織兄さんはまた抱きしめている腕に力を入れた。

私はずっと祈織兄さんといた。祈織兄さんが落ち着くまで。

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