12話 ページ13
「主達がなかなか来なかったから、心配しちゃった。もうみんな集まってるよ?」
「あー、わりぃ。いや、こいつらが………やっぱ何
でもね…」
清光と安定に向けた目は一瞬だけで、すぐに逸される。大方、その2人がAのことを大好きすぎてさっきまで騒いでいたところなのだろう。
もう一生会えないと思っていた大切な存在とまた巡り合うことが出来たのだ。同じ刀鍛冶から作られたわけではないので3人とも名前の上では本当の兄妹と言ったら違くなってしまうのかもしれないが、幼い頃から一緒に育ってきた彼らにとったらそんなことは関係ないのだろう。泣きながら笑って抱きしめあっていたあの光景は微笑ましくて眩しかった。
「よし、じゃあ行こうか。それからまたゆっくり話そう。」
大丈夫だって、とAの頭をぽんぽん撫でる清光の姿は妹思いの優しい兄らしくて甘えたがりな彼の意外なその行動に少しばかりの笑いもこぼれた。
安定はしっかり手を握ったまま耳元で僕がついてるからね、と囁いている。見事に2人の性格を表しているな、なんて考えて笑いを堪えていたら、いつの間にか大広間に着いていた。
「待たせたな、お前ら。」
ずかずかと入っていった主を前に既に集合していた他の者はそれぞれの反応を口にしていた。遅いとか、何があったのかとか、きょうのゆうしょくはなんですか?とか。最後の一言に至っては全く関係ないね、今剣くん。
「だから遅くなったのは悪かったって。……それより今からお前達に言わなきゃならねぇことがある。」
主がこちらに目配せするとそれを受けた光忠がAへと向き直っていくよ?と一言声をかけた。こくんと一つ頷くのを目にするとそのままAの手を引いていく。
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作者名:ルイス | 作成日時:2016年10月25日 0時