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笑えない日々その33 ページ37

ラクサスSide

俺は、約束の場所に早く来ていた

だいたい、15分ほど。

ギルドの奴等は、Aがいないし、

その上最悪の出だしだってのに

祭りなんか始めてる…

そんな気にはなれず、早めに来た

そしてぼんやりと、

Aと出会った日の事を思い出していた

____

俺はクエストの帰りに町に寄った

特に用はなく、何となくの気晴らしだった

そしたら道の真ん中で泣いてる女を見つけた

そいつは、俺より少しちいさくて、

ピンク色の髪の毛の奴

俺はガキな奴の面倒なんて見たくない

そう思ってほっていくつもりだった

そしたら、不良がぶつかっていき

案の定そいつは絡まれた

周りをみると、巻き込まれたくなくて無視する大人達

最近の大人は、大抵こうだ

俺はそんな事する気にはなれず、そいつを助けた

そしたらそいつは「あ、ありがとう…ご、ございま…す」

少し怯えながら俺に礼を言うそいつを

不覚にもカワイイとか思った

どうせなら、こいつもギルドに居て欲しい

そう…思った

「お前は魔法が使えないのか?」って聞いたら

また、半泣きになる

「竜の親に教えてもらったの、魔法。

でもね、居なくなっちゃったの…」

効果音が付きそうな落ち込みかたをしたお前

「なら俺のギルドに来い、皆家族だ。

入ればお前も、今日から俺達の家族だ。」

そう言って俺は、手を差し伸べた

君は少し戸惑ったあとに、「いいの?」って聞いてきた

「もちろんだ」…って、答えたんだよな。

あんなに素直に話せたのは、お前が初めてかもしれない



俺が破門になった時も

「こんなに素敵なギルドに入れてくれてありがとう」

「ラクサス…私、また帰ってきてくれるの待ってる。

…大好き//」

最後にそう言って笑ってくれたお前の顔を、

よく覚えてる。

俺は、知らないうちに…お前に恋をしてたんだ…

─────

でも、

俺が帰ってきた時はあの時の様に笑顔じゃなかった

まるで、凍りついたような冷たい笑顔

話を聞くと、Aは誰にも信じてもらえなかった

その日に、何があったかは知らない

リリーナが誰かも俺は知らない

でも、見てなくったって…これだけは言える



ーAは、何もしていないー

こいつの笑顔がいくら凍りついた笑顔でも

人を信じる心を失っていても

嘘を付いた目と、付いてない目の区別くらいできる


俺は不器用で何もできねーが

落ち着くまで、抱き締めておこう…

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星空(プロフ) - 違う意味でのえ?ええ?はありました (2021年9月13日 22時) (レス) id: 6329fbc5cb (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - いえいえ!!こちらこそ描かせて頂きありがとうございました!!これからも応援します!! (2019年2月16日 22時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
ポップキャンディ(プロフ) - EMIKOさん» 素敵なイラストありがとうございます…!!しかも二枚も!!!!ちゃんと見れます!!後で作品の方にも載せておきます!!本当にありがとうございます!! (2019年2月16日 22時) (レス) id: b023722945 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - もう一個描きました!! (2019年2月16日 19時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - http://uranai.nosv.org/uploader/common/2/5/7/25753ef281b7eae37e0676eb57023268.png (2019年2月16日 19時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りこ x他1人 | 作成日時:2015年7月17日 15時

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