「フェアリーテイル」少女はある日から心の底から笑えなくなりました

笑えない日々その１５ ページ17

あのあと、どのくらい走ったかな？

もう、何がなんだか分かんなくて…

人にぶつかりそうになっても、構わず走って…

その先には…見慣れた金色の髪の毛

金色の髪の毛…っていったら、あいつを思い出す

てか、あの精霊魔導師…被るところ多すぎだろ←

でも、この金髪は…今…私が誰よりも信用してる

…信用…

この言葉が言えるほど、心を開いている訳ではない

でも、一番この人が今は…頼りになる

貴「…っ」

その金髪の近くに行く


風でなびく、金色の髪の毛

それにつられるかのように揺れる、耳のピアス

こうして見ると、凄くチャラいなぁって思う←

そして、私の気配に気づいたのか？

ゆっくりこっちを見る


？「…？…って…え！？ちょっ、なんで泣いてんの？」

ゆっくり私の顔を見つめる…

そういえば、私…泣いてるまんまだったな

貴「…ごめん、なんでもないよ。…"スティング"」

皆気づいてたと思うけど、この人物は…そう…スティング

ス「なにいってんだよ…俺は…お前の…」

仲間って…言いたいんだろうな…

ス「友達…だろ？ﾆｺｯ」

貴「…」

ス「…ごめん、それもダメか…あはは…ごめん」

悲しそうに笑うスティング

貴「…もう少し」

ス「え？」

もう少し…だけ

貴「もう少しだけ、待ってくれない？

…スティングとローグを、心の底から…受け入れるまで。

その時は…心の底から…笑えるのかな？」ﾆｺｯ

頬を、冷たいしずくが伝う…

あぁ、私…泣いてるんだ

泣きながら笑うなんて…変だけど…

それも、心の底からじゃないけど…

こうでもしてないと、私…

もう…っ…もう…っ

貴「壊れちゃいそう…っ」

ス「…A…」

貴「えっ…？」

スティングは、私をそっと抱き締めてくれた

ス「俺、ずっと待ってる。お前に認めて貰えるように、頑張るし…」

スティング…

これは、素直に嬉しくって

また、涙が止まらなくなる…っ

ス「きっと、ローグも待ってるから…」

貴「…ありがとう」

今は、心の底からじゃないけど

いつか、貴方達には…本気の…

心の底からの笑顔が向けられるかな？

少し、今の私の心には…『向けたい』って

そう言う自分がいるの

本当の…私の気持ちはどれなの？

もう…分からないよ…

ス「…ゆっくりで…いいから。」

私の気持ちに気づいたかのように、

優しい言葉を言うスティング

今はまだ、よく分からないけど…

いつか分かるように

気持ちに答えられるように


"私は努力しよう"

笑えない日々その１６→←笑えない日々その１４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す