「フェアリーテイル」少女はある日から心の底から笑えなくなりました

笑えない日々その１３ ページ15

ASide

ﾏｽﾀｰ「今年の大魔道演武は、スティング、ローグ、A、ルーファス、ユキノだ」

え？…私？

貴「あの、私よりもオルガの方がいいんじゃ…」

ﾏｽﾀｰ「オルガは今…謎の病気に…」←

謎って何！？

貴「あ、ﾊｲ私がしまーす」

ユ「一緒に頑張りましょう。A様」

貴「そうだね」

私はユキノが嫌いなわけじゃない

ただ少し…苦手なんだ

あの時…私の事を裏切った…あの女と同じ魔法だから

ただそれだけだから、嫌いって訳じゃない

大魔道演武…か

出たくはないけど、マスター命令だし…聞くしかないだろう

別に、ギルドに居たいとは思わない

「出ていけ」、と言われたら正直いつでも出ていく

でも今は…少しだけ心を開けるようになった人がいる

スティングと、ローグ

この二人は真っ直ぐ私を見てくれる

たまにそんな目が怖くなる事だってあるけど、

"私はあの目が好き"

なんとなく、あの目が好き

というより、あの目に弱いのかもしれない

貴「スティング、このクエスト行ってくる」

ス「ん〜？え？マジで？凶悪モンスターを一人？」

は？当たり前じゃん

貴「うん、楽勝」

きっと私の予想だと、フェアリーテイルもこの大魔道演武に出る

私は…フェアリーテイルにだけは…

貴「負けられないのﾎﾞｿｯ」

見ていろ、フェアリーテイル

貴「七年間の差がなくても、私はお前らに勝てるんだから」

実力の差。

仲間仲間って言ってる友達ごっこが、

どれだけ醜いものかを思い知らせてやる

仲間など、要らない

きっと、仲間なんかよりも…力が大切

〈本当に？〉

またでた。もう一人の私

貴女はなんなの？そんなに明るい私はもういないの

〈…あの頃の…私だよ？〉

〈あの頃は毎日、凄く笑顔だったでしょ？〉

確かにね、でも私は…あの頃の仲間や友達のごっこに騙されてた

〈あの日、貴女は皆に裏切られて…本当の気持ちを封印したの〉

それがあんたって言いたいの？

〈そうだよ。それが私…〉

…確かにあの頃の私は…仲間を大切にしてた

〈でしょ？今まで沢山の事を仲間とのりこえたじゃない
　ララバイ、デリオラ、ガルナ島、エドラス、ファントムロード…〉

やめろ…やめて

〈あの人達との思い出は！？こんなものじゃないでしょ！〉

貴「いい加減にしてよ！仲間だの思い出だの…そんなことを気にする私はもういないの！」

〈…そう、見損なった〉

それだけ言って、もう一人の私は姿を消した

貴「…なんなのよ」

仲間なんて…

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