死んでたまるか同盟 (ページ49)

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fighting ページ49

顔を洗い、寝癖を直してしまったあきやん。
ちょっと残念に思いながら、空のコップを机に置く。
さて、あきやんの目も覚めたことだし、少し真面目な話題に移ろうか。

丸い回転椅子を俺の隣に起き、あきやんがそこに腰かけた。

「なぁ、あきやんはこの現状、どう思う？」

「その呼び方、やめてくださいと何度も言っているでしょう・・・かなり妙ですよ。この学院の生徒に手を出すのは、他校と比べても特に容易ではない筈です。日本有数の財閥の御曹司が数名いて、中にはあの天祥院財閥の跡取りまでいる。それなのに、政府の対応は救出を最優先させていません。むしろ傍観し様子を見ています。・・・なにか陰謀めいたものがありそうですね」

眉間を指で揉み、悩ましさに痛む頭の痛みをほぐそうとしている。
俺もあきやんと同意見だ。
ため息混じりに机に肘をついた。

「どうやって天祥院の権力を潜り抜けたのか、とか、なんで夢ノ咲が狙われたのか、とか、疑問は尽きないけどさ。あいつらは無事に帰さないとな。探索とか任せっきりだけど」

「その間私たちは、そういった大人の事情のような、面倒な事を片付けましょう。情報はAさんから入ってきますから、犯人の目星くらいはつけたいですね」

「うーわ、それはそれで大変じゃん。今までの『怪しい話』とかあきやん覚えてんの？」

「ええ。そういった話は一度耳に入ってきますので、ご心配なく」

「記憶力すげ」

芸能界に大きく幅を効かせているうちの学校に打撃を与えようとする外部からの悪意。未然に防いでいるが、それを企てたところがあやしいのでは。
ということで今回の犯行を可能な者のあたりをその中からつける。
生徒たちには脱出方法を探すのに専念してもらって、俺たちはその後を処理するために頭を働かせるわけだ。

まぁ、その前提すら間違ってたら徒労に終わるけど。

「敵は一体なんなのかねぇ・・・」