死んでたまるか同盟

fighting ページ34

「教室って縛り付けられる場所がないよな。ぐるぐる巻きにしとけばいっか☆」

「一応机の脚にロープの端を結んでおこうぞ。逃げようとしても、机が動けば斎宮くんあたりが起きるじゃろ」

「ところどころ雑だな・・・つーか、Valkyrieの人形ヤロ〜も二つ隣の部屋の物音じゃ起きね〜だろ」

「分からんぞ、彼奴は神経質じゃからのう」

陽が傾いて、外は少しずつ赤みを増している。

俺はカーテンを閉め、近くの机に座ってあれの近くにいる3人を見ていた。

うん、奇妙な光景だ。

男子高校生、しかもアイドルが不気味な生き物の周りを悠長に囲んでいるのだから。

「この状況をファンに見せたら放送事故かなぁ。で、こっからどうすんの」

机の端に手をおいて、疲れているけど動きすぎて妙に目が冴え冴えしている妙な心地に浸りながら王さまに声をかけた。

「思ったより楽に捕まえられたからな〜。取り敢えず、どこまで物理攻撃が効くのか試したい！」

「つまり、ボコ殴り？」

「そうだけど〜・・・素手ってのもあんまりだろ？それこそバットとか鉄パイプとか、棒状のがあった方がいいよな」

王さまがス〜ちゃん達を連れて行こうとしなかった理由を、本当の意味で理解した気がする。

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