＊ ページ14
*
「……これは？」
「企画書だよ。ハリーが考えたんだ。なかなかいい線いってる」
キラリと白い歯を覗かせたシリウスの笑みに、課内から、「はああっ」と黄色い声が聞こえた。相変わらずこいつはモテる。率直に言うと、邪魔だ。
「上には通したの？」
「いや、まだだよ」
「…………はあ？」
上に通ってない企画書なんで持ってきたんだよ、あんたは!!
胸中でそう叫ぶ。手元の書類が、くしゃっと音を立てる。
「ハリーが通す前に大まかな案を君に見せて、アドバイスを貰いたいたかったらしいけど、資料作りで忙しそうだったから、私が」
「私、ハリーがよかった」
「ひどいな、君」
ニカッと可愛く笑うハリーを思い浮かべた。うわあ、可愛い。やっぱりハリーがいい。
いい大人が、後輩の笑顔で癒されるってどうなんだ、と思ったが、癒されるものがそのくらいしかないんだ、と言いくるめた。
「わざわざありがと。じゃあね」
くるりとイスを回転させて、シリウスから視線を外すと、「つれないな」と声がした。
おまえなんかにつられて堪るか、と思った。私がつられるのは、ハリーとロンとハーマイオニーとジニーとネビルと……あれ、案外多いな。
はあ……と溜め息を溢し、ハリーの書類に目を通すと、何やらメモ紙が張られている。
“今日、みんなで飲みに行くんだが、君も行かないか？定時までに連絡頼むよ”
猛烈に行きたいと思った。まだ昼休みが終わったばかり。全然間に合う。
私、最近飲み過ぎじゃない？と思いつつ、夜のことが楽しみでしょうがなく、仕事に精が出た。
私の浮き足立った空気を読んだのか、スネイプはバンバン仕事を出してきたが、私は動じず、バリバリこなした。
帰り際に、ちらりとスネイプの方を振り返る。一緒に行けたらいいのに、とか思っている自分に気付いてかなり複雑な気持ちになった。
□■□■□■□■
「………あれ？あの子は……？」
きちんと定時に上がり、みんなでパブに行くと、いつものメンバーの中に、一人知らない女の子がいるのに気付いた。
「ああ、Aは会ったことなかったね。ほら、リーマスの噂の子だよ。ニンファドーラ・トンクス。私の従姉妹の」
シリウスがそこまで言ったところでピンときた。グリフィンドール課の髪色が変わる女の子。リーマスが好きらしい。それもかなり。告白して振られたが、アタックする、タフな子、と認識している。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ニー(プロフ) - 更新頑張ってください (2020年8月17日 7時) (
レス) id: 37a4633e60 (このIDを非表示/違反報告)
めーこ - いきなり、すいません!続きが気になります!!身勝手だとわかっているのですが、とても気になります。宜しくお願いします。 (2020年7月16日 20時) (レス) id: 37a4633e60 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - スネイプが上司とか、最高のシチュエーションじゃないですか！鼻血もんですね！続きを楽しみにしております！変態なので、もっと！お願いします！w (2019年8月23日 20時) (レス) id: e5a60e486d (このIDを非表示/違反報告)
暇愛*(プロフ) - リリ･コトンヌ･コリンさん» ありがとうございます！一体どうなるんでしょうね？((稚拙な作品ですが、よろしくお願いします！ (2019年8月10日 16時) (レス) id: 173ca6d821 (このIDを非表示/違反報告)
リリ･コトンヌ･コリン - 毎度,毎度,楽しみにしてます！スネイプ教授と主人公の展開にドキドキしてます！ (2019年8月10日 9時) (レス) id: 118f4f2f26 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：暇愛* | 作者ホームページ：
作成日時：2019年7月20日 8時
