今日:15 hit、昨日:12 hit、合計:10,009 hit
小|中|大
片想い21 ページ22
上機嫌な葵ちゃんは、不機嫌な時より怖い。ある意味。
勢いのまま突っ走る性格は、買い物でも発揮されるのだ。
回し車を駆けるハムスターのような勢いに
ついていけるほど上級者じゃない私はもう置いてけぼり状態。
それでも葵ちゃんは目を光らせてこれでもかと
様々な洋服を手にとっていく。
「これは!? あ、これもいい……!!」
「あ、葵ちゃん、私、目が回ってきたよ……」
現状を訴えれば少しはマシになるだろう。
……と、思った私が馬鹿だった。
「目が回るほど興味があるって証拠じゃないか!」
「え」
いや違うんだよ、葵ちゃん。
目が回っているのは決して比喩じゃなくて。
物理的に葵ちゃんが私の腕を引っ張ってあっちやこっちに
連れ回るから軽くトラウマになるのよ……。
しかし声を出す気力もない私は、中断されず葵ちゃんの腕に引かれていく。
目が覚めた時は、家の中にいた。
すっかり最中の記憶を落とした私に、彼女は
背中の開いた大胆なワンピースを掲げる。
「これは」
「却下!!」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
10人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ