第8話 旧友の温かさ ページ9
『今、俺に触れないでくれますか。』
さっきの白龍様の言葉が鋭い矢となって私の心を射抜き、ズキズキと痛みを訴える。
その痛みを気にしながら、上の空同然でただただ廊下を歩いていた。
そんな時、誰かとすれ違った気がして後方へと振り返る。
「あ、白瑛様…。お声を掛けてくださればよかったのに…」
「やはり気づいていなかったのね?…上の空だったけれど、何かあったの?」
白瑛様は、私の様子が可笑しいのを悟り、優しい笑みを浮かべられた。
旧友であり、姉のような存在である白瑛様のお気遣いに
私の視界は歪み始め、ついには瞳から涙が垂れていた。
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私と白瑛様は縁側に並んで座り、
白瑛様は私なんかの話に、何も言わず耳を傾けてくださった。
「私…、白龍様に嫌われてしまったかもしれません。」
私の言葉に耳を疑うかのように、白瑛様は目をぱちくりされた。
「一体、何があったの?」
「先程、白龍様にお食事を運びに参ったのです。」
私はそこから、白龍様が寝ていらして不注意で起こしてしまったこと。
白龍様の顔色が突然赤く染まり、熱でもあるのでは、と熱を測ろうと
手を伸ばしたところ、白龍様の手で静止され…、そして。
「今、俺に触れないでくれますか…と。」
話が進むに連れ、私の声は震えていく。
心の底から込み上げる痛みと悲しみに、肩が震える。
そんな私を白瑛様は、優しく温かく包んでくれた。
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(=゚ω゚)ノ - ヤバイィィィ!!!ドキドキキュンキュンしちゃう! (2013年12月10日 17時) (レス) id: 35ca3092a8 (このIDを非表示/違反報告)
Koran(プロフ) - 白龍くん可愛過ぎ!!!!!!続き楽しみにしてます!!!!! (2013年1月25日 19時) (レス) id: bdd60be7de (このIDを非表示/違反報告)
杏伏(プロフ) - 白龍くんにドキドキです!!(*´ω`*) (2013年1月21日 17時) (レス) id: a74c33c744 (このIDを非表示/違反報告)
みっさーv(・ω・)v(プロフ) - 白龍可愛いよぉぉぉぉぉ//// (2013年1月20日 15時) (レス) id: b06a22da69 (このIDを非表示/違反報告)
*。遊愛。*(プロフ) - はくりゅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううあああああああああああ (2013年1月20日 15時) (レス) id: ba4eb1fe84 (このIDを非表示/違反報告)
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