第7話 真紅 ページ8
「………A」
指先が触れた瞬間、寝言のような小さな声で名前を呼ばれ
思わず、ガタンッと物音を立ててしまった。
「んっ……、A殿?」
私の不注意で小さく響いた物音は、悪くも白龍様の目を覚ましてしまったようで
白龍様は色素を失った瞳を擦りながら、ぼんやりとした視界に私を捉えていた。
思わず、その魅力的な瞳に吸い込まれそうになる。
だが、我に返り、はっとする。
「申し訳ございません。…お目を覚まさせるつもりはなかったのです。」
「謝る必要はありませんよ。俺も先程は申し訳ないことを。」
「い、いえ…///」
「食事、持ってきてくれたんですよね?」
感謝します、と白龍様は、右の拳に左の手を添えた。
「感謝されることはございません、白龍様。当然のことです故。」
私も白龍様と同様に、手を形作り笑みを浮かべた。
下方に伏せていた視線を白龍様に傾けてみると、
そこには先程の間での白い肌はなく、林檎のような真紅に染まった頬があった。
「白龍様!?お顔が赤く…、熱でもあるのでは?」
突然の頬の火照りに違和感を感じ、白龍様の頬に手を伸ばした。
だが、その手は白龍様のお手によって静止する。
「だ、大丈夫ですから///」
そうは言われても、益々頬の紅みは増すばかりで。
「ですが…」
「ホントに大丈夫ですからっ!」
今、俺に触れないでくれますか。
真紅に染まった頬とは対照的に、突き放すような冷たい言葉に
私はただ「承知しました…」と白龍様のお部屋を去るしか出来なかった…。
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(=゚ω゚)ノ - ヤバイィィィ!!!ドキドキキュンキュンしちゃう! (2013年12月10日 17時) (レス) id: 35ca3092a8 (このIDを非表示/違反報告)
Koran(プロフ) - 白龍くん可愛過ぎ!!!!!!続き楽しみにしてます!!!!! (2013年1月25日 19時) (レス) id: bdd60be7de (このIDを非表示/違反報告)
杏伏(プロフ) - 白龍くんにドキドキです!!(*´ω`*) (2013年1月21日 17時) (レス) id: a74c33c744 (このIDを非表示/違反報告)
みっさーv(・ω・)v(プロフ) - 白龍可愛いよぉぉぉぉぉ//// (2013年1月20日 15時) (レス) id: b06a22da69 (このIDを非表示/違反報告)
*。遊愛。*(プロフ) - はくりゅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううあああああああああああ (2013年1月20日 15時) (レス) id: ba4eb1fe84 (このIDを非表示/違反報告)
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