第42話 傷は勲章 ページ43
『頑張りなさいよぉ?』
とニヤつく紅玉に背を押されながら、私は隣室へと廊下に出る。
少し塩の匂いがする海風に、髪が靡く。
見渡す限り、続くのは海ばかりでさっきまで敵襲に遭ったとは思えない。
「…失礼します。」
少し緊張して震える声。
恐る恐る、ゆっくりと木製の扉を開けると部屋奥にベッドに腰掛けた白龍様が居られた。
「あ、A殿。大丈夫でしたか?」
そう優しい声音で尋ねる白龍様のお顔や身体には
いくつもの処置後が施されていた。
それは、私よりも痛々しいものであった。
「どうして、そのようなお身体で私などの心配などするのですかっ!?」
「…A殿?」
私の部屋を響かせた大声に、白龍様は目をぱちくりなされた。
「ご自身のお身体を…、大切にしてください」
ちっぽけな、無力の私にはそんなことしか言えなかった。
今回、私は飛んで火にいる夏の虫のようなものだった。
何も出来なかった悔しさから流れる涙は、ただの負け犬の遠吠え…。
「A殿、俺はこの傷を勲章だと思ってるんです。」
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(=゚ω゚)ノ - ヤバイィィィ!!!ドキドキキュンキュンしちゃう! (2013年12月10日 17時) (レス) id: 35ca3092a8 (このIDを非表示/違反報告)
Koran(プロフ) - 白龍くん可愛過ぎ!!!!!!続き楽しみにしてます!!!!! (2013年1月25日 19時) (レス) id: bdd60be7de (このIDを非表示/違反報告)
杏伏(プロフ) - 白龍くんにドキドキです!!(*´ω`*) (2013年1月21日 17時) (レス) id: a74c33c744 (このIDを非表示/違反報告)
みっさーv(・ω・)v(プロフ) - 白龍可愛いよぉぉぉぉぉ//// (2013年1月20日 15時) (レス) id: b06a22da69 (このIDを非表示/違反報告)
*。遊愛。*(プロフ) - はくりゅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううあああああああああああ (2013年1月20日 15時) (レス) id: ba4eb1fe84 (このIDを非表示/違反報告)
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