第32話 祈願という使命感 ページ33
「姉上、お気を付けてっ！」
夜が明け、出航の刻が近づいてきていた。
見送りに来てくれていた青舜は、私に対する心配が吹っ切れたように満面の笑みを浮かべていた。
「青舜もね。戻るのでしょう？」
「はい！…姉上と離れるのは、少し寂しいですが」
元気な返事とは裏腹に、語尾へと向かい窄まっていく声。
先程までの笑顔までもが薄れていき、代わりにシュンとした表情を浮かべる青舜を
私は優しく抱き締めた。
「なんて可愛いことを言うのですが、青舜。」
「と、突然何を言うんですが、姉上っ////」
私の腕の中に、大人しく収まったまま青舜は耳を赤く染めた。
「私は貴方という弟を持てたことを誇りに思います。」
腕の中から青舜を解放すると、
真っ赤に染まる顔の中にさっきよりも大きな笑顔の華が咲いていた。
「A。」
「白瑛様。」
私は、少し乱れてしまった髪を正し表情を固めた。
「貴女が無事に戻ってくることを祈っているわ。…白龍をお願いね？」
白龍様の実姉の祈願に、使命感が重石となって心に伸し掛ってくる。
私は顔を引き締め、白瑛様の前で膝を折った。
「この命ある限り…、お任せ下さい。」
「頼りにしています。だって、貴女は私の心友ですもの。」
その白瑛様の言葉に、思わず笑みが零れた…―。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 203人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(=ﾟωﾟ)ﾉ - ヤバイィィィ！！！ドキドキキュンキュンしちゃう！ (2013年12月10日 17時) (
レス) id: 35ca3092a8 (このIDを非表示/違反報告)
Koran(プロフ) - 白龍くん可愛過ぎ！！！！！！続き楽しみにしてます！！！！！ (2013年1月25日 19時) (レス) id: bdd60be7de (このIDを非表示/違反報告)
杏伏(プロフ) - 白龍くんにドキドキです!!(*´ω｀*) (2013年1月21日 17時) (レス) id: a74c33c744 (このIDを非表示/違反報告)
みっさーv(・ω・)v(プロフ) - 白龍可愛いよぉぉぉぉぉ//// (2013年1月20日 15時) (レス) id: b06a22da69 (このIDを非表示/違反報告)
*。遊愛。*(プロフ) - はくりゅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううあああああああああああ (2013年1月20日 15時) (レス) id: ba4eb1fe84 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
