誘惑していたのは私の方でした。３【ダイヤのＡ】

49 彼女と彼氏と彼 ページ9

倉持side



Aがいねえ。



部活が終わってんのにどこにもいねえ。



倉「なぁ御幸、A知らねーか？」



御「知らねー。そういや亮さんもいなくねーか？」



そういえば。



亮さんも部活が終わってすぐどこかへ行ってしまった。



倉「俺、探してくる」









.









ちょっと離れた倉庫まで来たとき…









暗闇で彼女が俺以外の男とキスしているのを見た。



しかも相手は…



倉「亮さん…？」



なんで亮さんが俺の彼女とキスしてんだ？



なんでだよ。









なんでだよ。





亮さんはAを抱きしめて深いキスをしている。



倉「亮さんと…A…？なにやってんすか？」









"なにやってんすか？"



なにをやっているかは一目瞭然で。



亮さんは余裕そうに顔をあげて、Aははっとしたように口元を手で覆った。



亮「なにって…キスだけど？」



倉「俺の…彼女なんすけど」



亮「知ってる」



倉「じゃあなんでキスなんてしたんすか！？」



淡々と答える亮さんに、さすがにイラっときてしまった。



亮「そりゃぁ好きだから。


俺はAちゃんのこと倉持と付き合う前から好きだったよ。


今さらだけどもっと早くこうしとけばよかったなって思うくらい」



倉「だからっt(「それに…」



"だからってキスすることはないじゃないですか"









そう言おうとした俺に





静かに…









静かに…









切羽詰まってる俺に、とどめを刺すように…









亮さんは言った。









.









.









.









亮「Aちゃんから抱きついてきたんだしね」

50 こんなになる程→←48 付き合っている

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す