【BL松】雪が綺麗だね【おそチョロ】

第一章.昔の話をしよう(3)チョロ松side ページ4

“松野チョロ松に好きな子ができた”


いつの間にか、クラスはその話で持ちきりだった。

ちなみに、その渦の中心である松野チョロ松とは何を隠そう僕のことだ。

噂というものは、本当に怖い。

どこから広まったのかわからないし、そんでもっていつの間にかそれは誰しもが知る”事実”になってしまうから。


好きな人がいるのは、実のところ嘘ではない。

ただ、それを知られるのはあまりにも酷なことで。

また、本人にも知られたくないことだし一生打ち明けるつもりもない。


だから、僕は否定もしない。

そうすれば、いつかその噂も消えるだろう。

噂を耳に入れた連中も、不思議と僕に問い詰めるようなことはしないので楽なものだ。


でも、もしだよ。

もし、この思いが届くのなら。それはどんなに幸せなことだろう。

君に抱きしめられて、微笑みかけられたら。僕は、いつ死んでもいい。そう思ってしまうかもしれない。

でも、その思いが届く訳ないって解っているから尚更、素直になることができない。

毎日君は、僕に笑いかけてバカなことを言うだろ。本当はそれ、嬉しいんだ。

でも、僕は知っているから。

それは全て、ただの兄弟としての行いだということを。

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