第三章.君へ(1) ページ18
三章は、チョロ松視点のお話です
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引っ越しの前日、皆に渡せなかった手紙がまだ殺風景な部屋にぽつん、と置かれた机の上にある。
いつか郵便で届けたいんだけれど…なかなか照れてポストに入れることができない。
そしてその手紙の下には、もうひとつ手紙があった。
差出人と宛先が書かれていないその手紙は、当然僕が書いたものだ。
これは…出すつもりはない。
宛先は、僕だけが知っている。
その中の手紙の内容も。
多分、この手紙をアイツが読んでもバカにするだけだろうから絶対に渡したりなんかしない。
僕は、誰もいない部屋の誰もいないベランダから見える空を見上げながら、呟いた。
「会いたい」
今まで、毎日一緒にいるのが当然で。
隣には、いつだって誰かがいた。
イタズラして母さんに叱られたときも、風邪をひいたときも。
ご飯を食べるときも、寝るときも。
一緒にいすぎたからかな、全然僕はそんなことに気づいてなくて。
多分それは、他の兄弟も一緒だと思う。
「なんかバカみたいだね」
当然、返事はこない。
まるで物語のプロローグみたいな言葉を頭の中で繰り広げていく。
本当に、今から大どんでん返しの話が始まればいいのにな。
もしかすると、今までの日々はただのプロローグで今のこの生活が物語そのものだとしたら。
なんてつまらない物語なんだろう。
少女漫画なら、ここで多分王子様みたいな人が来て、二人は結ばれる。
そうなったら、どんなに幸せか。
でも多分、君は来ない。
この物語は、バッドエンドだ。
____最後、ヒロインはどうなるのかな。
僕は、性にも合わないことを心の中でぼやきながら天井を仰いだ。
「会いたい」
もう一度、そう呟くと僕は静かに目を閉じた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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チュロス@3ds垢(プロフ) - 這いよるマグロ華飛さん» 別アカ失礼致します。二度目のコメント感謝です!そう言って頂けて本当に光栄です。こちらこそありがとうございました!次作も、よろしければまた応援の方よろしくお願い致します^^ (2016年5月2日 22時) (レス) id: 42e05dc459 (このIDを非表示/違反報告)
這いよるマグロ華飛(プロフ) - はぁぁぁ!完結お疲れ様でしたぁぁぁ!最高でした…もう…たまらんです…素敵な作品をありがとうございました… (2016年5月2日 21時) (レス) id: 9e2f5dbb6a (このIDを非表示/違反報告)
チュロス(プロフ) - 雫さん» ああありがとうございまああああす!!本当におそチョロは書いてて楽しいです(笑)よろしければ引き続き応援よろしくお願い致します! (2016年4月13日 22時) (レス) id: 42e05dc459 (このIDを非表示/違反報告)
雫 - おそチョロ美味しいです!更新頑張ってください`∀´♭← (2016年4月13日 21時) (レス) id: f3a05c88b6 (このIDを非表示/違反報告)
チュロス(プロフ) - ふらっぺさん» そうですよー!夫婦ですよー!!(笑)おいしいですよね^q^コメント、ありがとうございます!またお願い致します^^ (2016年4月12日 7時) (レス) id: 42e05dc459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チュロス | 作成日時:2016年4月10日 18時