28．帰還 ページ28
「さぁ、着いたよ」
天祥院から声をかけられ、車を降りる
『ただいま』
夢ノ咲学院
今日から、此処が私の職場だ
門をくぐり、初めて此処へきた日の事を思い出す
そういえば、この場所でレオ君の楽譜を拾ったんだっけ
『天祥院』
私の前を歩く彼に声をかける
「なんだい?」
門の前で立ち止まる私を、不思議そうに見る彼
『レオ君は、今、何処にいるのかな？』
ザァと強い風が吹いた
今は授業中なのだろう。学内は静かだ
「月永君かい?今日は学校には来てるみたいだし、授業に出席しているか、何処かで作曲しているかのどちらかだろうけど、、」
『そう。ねぇ、お願いがあるのだけど』
ニコッと笑い、小さく首を傾げる
折角だし、皆にサプライズでもしてあげよう
「お願いねぇ。此処で元の職場に帰るって言われても困るし、、、良いよ、聞こうか」
『ふふっ、ありがとう。でも、それは、また後で。
まずは、御礼とただいまを言わないとね』
スゥと息を吸い込む
〜♪
月永君にもらった曲。
この静かな学内なら、きっと彼に届くはず。
リズミカルな音が学内に響き渡る
「A!!」
私の名前を呼ぶ声が聞こえたと同時に、暖かい何かが私を包み込んだ
『むぐっ!?』
目の前が真っ暗になる
どうやら抱き締められているらしい
フワッと良い香りに包まれ、私を包む温もりが心地よく感じる
『レオ君。ただいま』
相変わらずスキンシップが激しいが、久しぶりの再会だし、私も悪い気はしない
今日くらいは、いいだろう
「おかえり!A」
身体が離れたかと思うと、パッと無邪気な笑顔が、目の前にあった
「全く、目の前でイチャつかないでくれるかな。少し妬けるだろう?」
やれやれと天祥院は、腕を組んだ
『イチャっ!?いや、え、そういう訳では!?』
ん、でもよく考えたら、付き合ってもない人とこういう事するのはおかしい気が、、、。
いや、でもアメリカだと、こういう事は挨拶だっけ?そう!これは挨拶!!
「む、Aはやらないからな！」
レオ君!?なんか、誤解招く言い方しないで!?
というか、君のものでもないから!!
「ふふ、焦るAも、なかなか面白いね。
さて、敬人が待っているだろうから、僕はそろそろ行くよ」
どうやら生徒会の仕事があるらしい。天祥院は、"程々にね"と一言残すと何処かへ去っていった
何が程々だ!!そもそも挨拶だから関係ない!
「A。帰ってきて、よかった」
レオ君は、ギュッと私の手を握った
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SY(プロフ) - 翡翠さん» ありがとうございます!!頑張ります! (2019年4月5日 19時) (
レス) id: 393fa5d78e (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 主人公ちゃんの性格が凄く好きです。これからの主人公ちゃんの行動を楽しみにしてます。更新頑張ってください！！ (2019年4月5日 13時) (レス) id: 557ad2f8ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SY | 作成日時：2019年3月15日 4時
